2014年02月22日

ビュッケブルグ歳時記 79

議員の報酬

 2週間前にTVで、連邦議会が代議士の報酬昇進を希望していることが放送されました。この番組から、今回は、この国では政治家の報酬に対してどのような考え方をしているのかをお伝えしたいと思います。

 第一に、ドイツで、受ける俸給額をその人自身で決められるのは、議員だけということを知りました。会社員や商店で働く労働者の月給は、雇い主との契約で決められます。これを決める雇用者側は、自分たちの一存で決めるのではなく、会社の場合は、その社が属する類型会社間で決められている労働協約に基づいて額を決めます。役所などの場合は俸給覧表によって報酬額を決めます。
 これに反して、代議士は自分たちの俸給について、議会の年期ごとに話し合うことが出来、賛意が得られれば昇給を自分達で決められるということです。但し、この場合には「公表すること」という条件が付いています。昇給額だけではなく、理由や正当性を全て公開し、国民の眼の中で昇給を決める、ということです。このことは、1975年に制定された連邦憲法規法に明記されているそうです。ですから、出だしに書いたように、代議士の昇給問題がテレビで全国に放映されるのです。
 議員の給料がこのように公開されて、透明なガラスの中で決められるということに、新鮮な驚きを感じました。 

 今回の、与党から出された昇給の詳細は次の通りです。今年の7月から8252から8667ユーロに、2015年1月から9082ユーロにと、約10%の値上げを要求しています。また、昇給の基準を連邦裁判所の裁判官のものと同じにしたいという要求も出ています。これは、連邦裁判官は年ごとに昇給があるのです。それと同じということは、議員も年期毎に昇給があることを意味しています。このような要求は、例えば2004年から2007年まで、メデイアの批判が大きく、昇給が無かったことから出たことと思われます。
 この要求に対して、野党から次のような質疑が出て、現在、次の3点が主に検討されています。
1. 今回の昇給要求には、賛否多様な意見が出て来るだろうが、横暴な要求とは云えない。1975年の法規には、「議員の職は“fullーtimeーjob" であるから、それに相応する補償額が給料とされるべきである」と明記されている。この補償額とは、今まで就いていた職を休職して代議士職をすることから、議員を辞めた時に、前の仕事に戻れるか否かなどの損失に対す補償を意味する。
2. 必要な費用は、今年の半年分として170万ユーロ、来年分は350万ユーロが納税者の肩にかかるが、今の経済状況で支払い可能か。
3. 今回の要求は報酬問題だけではなく、前記のように、基準を判事の報酬と同等にすることは、大規模な改革になり、その結果も考慮に入れなければならない。

 興味を持つ国民のために、新聞には参考記事が載せられています。
 一銀行頭取の月給は40000ユーロ、メルケル首相のは17000ユーロと、政治家はマネージャーよりも少ない報酬で働いていることを示したり、市民の給料は教師
3300ユーロ、売り子2500ユーロなどの例を挙げて、比較を促したりの記事があります。また、ヨーロッパの政治家の平均給料は8000ユーロだが、これは西側の国々のことで、東側はもっと少ない。(イタリヤの議員は5ケタの月給ということを読んだ時には、国家破産の原因がこのような所にあると苦笑が湧きました!)

 ある社説が目に留まりました。
「我々が民主政治を維持しようと思うなら、主権を握るわれわれ市民は、選んで、責任を託した議員を”怠け者安賃金”で働かせるわけにはゆかない。相応の俸給を支払うのが当然なのでは」
 議員の給料を透明なガラスの中に置くことと同じように、重みのある言葉だと思います。


aokijuku at 00:05│コメント(0)

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