2013年11月26日

【From America】「感謝祭のターキー」

1126アメリカのウインドゲイト緑です。

アメリカでは11月の第四週目の木曜日は感謝祭、「Thanksgiving」のお祝いです。これはアメリカ独特のお祝いで、日本のお正月に似ている行事とも言えるでしょう。人種のるつぼであるアメリカでは、それぞれのお国柄で様々な祝日を祝いますから、皆同じだと思うクリスマスでさえも、食卓に上るクリスマス料理は様々なのです。しかし、この感謝祭だけは、遠くの家族が集まってきて、アメリカ全土が皆七面鳥の丸焼きを食べるので、日本のおせち料理を食べるような感じがします。

その七面鳥の焼き方は、各家庭でおばあちゃんからお母さん、娘へと受け継がれた独特のやり方があったり、料理の本で毎年新しい手法が紹介されたり、どの方法でターキーを焼こうか? と目移りがしてしまうほどです。オーブンでターキーを焼く、という簡単なことのように思いますが、これがなかなか難しいのです。というのも、ターキーは鶏肉に比べると肉に脂があまりなく、ついうっかりするとパサパサになってしまうからです。胸肉をパサパサにしないように、そしてもも肉にもちゃんと火が通るようにする、この技術が皆を悩ますところです。更に、ターキーにはサルモネラ菌がいますから、よく焼いておかないと食中毒の原因にもなり、料理を作る人は大変に気をつかいます。

様々な料理本の表紙には、こんがりと黄金色に焼けたターキーの写真が出ていますが、この「狐色」にするのも また一苦労。中まで火を通そうとして、袋に入れて一種の蒸し焼きにする方法をとるとこんがり色がつきません。焼き色に気をつかっていると、今度は中まで火が通らないうちに色が付いてしまい、生焼けではサルモネラ菌で食中毒になりかねません。更に焼いていると黒焦げになることもあります。

私が料理本で見つけた「ターキーの照り」をよくするための手法の最新版が、なんと日本の「醤油とみりん」を使う方法です。日本食の照り焼きのテクニックを使った醤油とみりんの組み合わせのたれを何回かに分けて、ブラシでターキーの上に塗りながら焼くのです。

日本料理の素晴らしさ、日本料理に使う材料、が段々アメリカにも浸透してきましたが、アメリカの伝統的な料理の七面鳥の丸焼きにまで、日本の照り焼きの秘伝が使われるようになったことは、日本食、ひいては日本という国がアメリカの中で市民権を得た、といっても過言ではないと思います。

今年 我が家で作る七面鳥の丸焼きは、この秘伝「醤油とみりんのたれ」で上手にこんがりと焼けること間違いなしです。

Happy Thanksgiving!!

aokijuku at 00:00│コメント(0)

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