2013年03月30日
古事記ことば
今回は古事記の言葉で気になった事です。
古事記は中学時代に漫画で初めて触れ、ギリシャ神話と並んで日本神話も好きになりました。色々と見方がある古事記ですが、言葉や文化、考え方や世界観など、今の私達のルーツが少しずつ垣間見えてきて、面白いと感じています。
さて、大学で古事記研究会に参加してみた時に聴いた、言葉に関するお話をご紹介します。
登場するのは、日本を作った神・イザナギと女神・イザナミが結婚する際、天の御柱で声を掛け合う場面。
イザナミ
「あなにやし、えをとこを」
イザナギ
「あなにやし、えをとめを」(岩波文庫『古事記』より抜粋)
意味としては、「あれまあ、いい男だなあ」「あれまあ、いい女だなあ」と言ってるのですが、ここで注目するのは、「をとこ」と「をとめ」です。
「をとこ」は、もちろん男子の事です。しかし「をとめ」は、「をとこ」と対になっているので、女子全般を意味してるのだそうです。
つまり、今は「男と女」で対になっているのが、古事記の時代には一音違いの
おとこ と
おとめ だったそうなのです。
古事記は昨年、出来てから1300年を迎えたそうですが、男という言葉はずっと同じ意味で今も使われてるのに対して、
乙女という言葉は、1300年経つ内に、女子全般を意味する言葉から、特定の年齢層の女性を表す言葉へと、微妙に変化した事がわかります。
そんな、言葉に注目してみながら古事記を読むのも、とても興味深いですね。まだまだ全部読破出来てませんが、ちょっとずつ読んでいきたいと思います。
(ぴのん のぞみ)
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