2012年01月04日

光と闇を描く版画家;

 為金 義勝と言う版画家がいる。
木版画家ということだが彼の制作過程は誰も言葉で説明ができないほど手をいれこんだ精密な工程だと思う。それでいて何とも美しい作品群なのである。何年か前、ニューヨーク郊外のNew Paltzのアートセンターで展覧会を私が企画した折、運悪くレセプシオンの日大雨が降りセンターに行く橋が流され会場に行くことができなかった人びとが多くいて残念だった。

017 アメリカではほとんどの場合展覧会の初日に人があつまるのでレセプシオンはとても大切な日なのである。
 為金さんの作品は写真を見てもそのよさは充分わからず作品そのものを身近にみなければならないと私はいつも思うのである。彼は4-5年前だったか、フィラデルフィアのペンシルバジア大学から招聘されて1年間大学で版画の授業を持つ機会があったという。日本には浮世絵の伝統があり職人芸としての優れた技術があるが、現代版画はそれらのルーツを超えて西洋からの感性も取り込んだ形で日本人独自の精緻で華やかさを備えた作品を制作する人達が何人かいる。
 為金さんは全ての行程を1人でこなし、彫る、摺るをしていくなかで彼自身の思いや内観を埋め込んでいくのではないだろうか。

 彼の作品集が2000年に出版されているがそのなかで「絵を描く以前に旅にあこがれていましたそれは幼い日の私にとって、道なるものへの渇望であり、冒険であり、そして人生そのものであるように感じられました。26歳のときおもうことあってインド、ネパールを放浪しました。その先の人生を歩きつずけるのに必要なものを探しているかのようでした。困難な旅でしたが幸福でした。このまま日本に帰らず、生涯を旅の中で暮らしたいという衝動に何度も駆られました。」

 為金さんの作品はスケールが大きく雄大で捉えることのできない不思議な世界なのです。彼の作品を今後おおいに紹介していきたいと思っています。


aokijuku at 21:03│コメント(0)

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
月別の記事一覧
最新コメント