2011年10月15日

スペイン体験記 その14

ほんの少しずつではありましたが、スペインのマドリッドで寝食が出来る環境をみつけ、いよいよ肝心のマエストロ探しを始めました。

大概、留学に来ていた日本人たちは日本で師事していた先生からの紹介状を携えて先ずはプライベートという形のレッスンを行っていました。
ところが、私の場合、そのような紹介状は一切、持たされずに送りだされました。何のつてもなく、私より一足先にスペインにやって来ていたM君に相談すると、現在、師事している先生はあまり良くないからという理由で紹介はしてもらえませんでした。

そんな時、銀行口座を開けるためにマドリッドでも語学学校に通っていたのですが、
ある日本人の方と知り合うことになりました。

その方もクラシックギターを学ぶべく、マドリッドに来ていました。
当然、紹介状も持ってきており、これから師事するためにも語学を平行して学ぶというプランでした。
マエストロはホルへ アリサというマドリッド上級王立音楽院のギター科の主任教授でした。
当時、6人の教授がギター科でレッスンを行っていましたが、その中でもアリサ教授はアランフェス協奏曲を献呈されたレヒーノ デ ラ マーサというスペインの音楽院で初めて教授に就任した直系の弟子でその指導は師であったデ ラ マーサと同様にとても厳しいという噂は耳にしていました。

そんなマエストロに師事できるなんていいなーと、内心、羨んでいましたが、その日本人の方が、スペインに来たばかりで語学に不安があるから、良かったら一緒にレッスンに通わないかと誘ってくれました。
高々、4カ月先に来ていただけの私でしたがとてもありがたい話しだったので、アリサ教授のプライベートレッスンを受けることにしました。

初めてのレッスンは失意と希望が入り混じった何とも自分が場違いな所に来てしまったようなものでした。
きっと私の余りのレベルの低さにマエストロも言葉がみつからなかったのでしょう・・・。
私にマエストロを紹介してくれた方は幼少からギターに親しみ、日本で師事していた先生も高名な演奏家で、マエストロも非常に思い入れがあった方だということが、良く分かりました。その方の演奏を聴き終えると“いい!!これこそ音楽だ!!”という、満足気な言葉で話しも弾んでいます。

横にいた私は蚊帳の外にいる状態でしたが、その時の自分はとにかくこれからの自分に期待を懸けることしか出来ず、いつかマエストロから評価してもらえる言葉を貰えたらと、やはり失意と希望が入り混じった気持ちで時間を過ごしました。

スペインに来て、先ずは言葉の壁、習慣の壁、そして更に音楽の壁と、どんどん壁に囲まれて行きました。



aokijuku at 00:03│コメント(0)

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