2011年04月10日

スペイン体験記 その8

今週の木曜日(4月14日)新宿中村屋にて開催される第105回青木塾では、当人気ブログの著者である木村さんが講演いたします。スペインでの珍騒動や本場のギター演奏を満喫いただけますのでどうぞお楽しみに!

今、思うとこの体験は、一生懸命も過ぎると、冷静に周囲を観察する視野が本当に狭められるということを自分の身を持って知ることができました。

あくる日、目が覚めて周囲を見回すと、どういう訳か部屋が真っ暗でした。自分の感覚では確実に朝の時間帯なはずなのですが、部屋は暗闇に包まれています・・・。
ひょっとして寝過ぎてもう夜中になってしまったと思い、灯りのスイッチを入れて時刻を確認しました。
時計は9:00近くを指していたので、やはり昨日の宿探しが相当、応えたのだろうと着替えをし、外に出る事にしました。ところが、部屋から外に向かう間、外界の様子が自分の感覚と一致しません・・・。

一体、何だろうと外に出てみると、夜ではなく、曇り空でしたが街の様子は朝でした。驚きました。
とても妙な感覚から立ち直り、自分の部屋を確認しにいき、ドアを開けるとやはり
真っ暗でした。
よくよく部屋を眺めてみると、ほんの申し訳程度に薄ぼんやりと磨りガラスが部屋の壁の上部に位置しており、なにやらそのガラスの向こうには何かが行きかっています。しばらくしてそれは人間の足だということが分かり、自分がいる部屋の作りがどういったものか理解できました。
空気も悪く、冷静に見るとひどい部屋でした。まあ、銀行口座を作るまでの辛抱だと思い、銀行に向かいました。自分ではすっかり夜だと思っていたのが朝だったので非常にお得な気分でした。銀行に着き、ドキドキしながらスペイン語は大丈夫であろうか、などと順番が来るまでとても不安で仕方ありませんでしたが、この口座開設をクリアーできなければ音楽院どころではなくなってしまいます。
そうして自分の番が来て口座開設を希望すると、とても豪奢なソファーに案内されて説明を受けました。
ところが、問題発生です。よく考えるもなにも、サラマンカの語学学校を終えただけの私はスペインでは学生でも何でもなく、ただの旅行者です。一番、簡単に口座を作るにはどこかの語学学校に入って学生になることだと、担当の係員が丁寧に教えてくれました。

早速、語学学校を探すべく、自分が今、取っている宿の近場を探してみると、一か所の学校が目に入りました。幸い、何の問題もなく勉強が出来ることになったのですが、授業料を支払うと手持ちのお金がほぼ、無くなってしまいました。ここでこんな出費をするとは思いませんでしたが、この時点でも、口座が開けるから大丈夫。
と、楽観していました。その日は銀行も閉まってしまい、明日で一応の解決を見込めると思っていたので、2、3日の辛抱だと、勝手に思っていました。

あくる日、また暗闇の部屋の中で目覚めて銀行に向かいました。昨日の気の良い係員さんに「どうよ?調子は?」「ありがとう。バッチリ!」
などと、マドリッドに来て2日目でこんなやり取りが出来る自分に余裕を感じていました。
係員の人も語学学校の証明書を見て、「これなら大丈夫!」と、太鼓判を押してくれて、ますます余裕を感じていると、「送金されて引き落とせるまで2週間かかるよ!」
「え?」少し、耳を疑ったのでもう一度、聞いてみると、「使えるまで2週間かかるよ。」
聞き間違いと思いたかったのですが、一気に奈落の底に落ちていく気分でした。昨日の語学学校の出費が手痛い打撃となり、本当にお金が無くなっていました・・・。

ここ、海外ではお金があるからこそ、言葉が出来なくても何とか人として扱ってもらっているというのを肌で感じていたので、お金がないと大変なことになります。
残金を整理すべく、ひどい部屋に戻ると、やはり真っ暗です・・・。こんな時にくらい部屋は非常に鬱になります。まず、お金の優先事項は宿代です。

毎日、その日ごとに支払っていたので宿代が滞ると追い出されてしまう可能性が大です。また、宿主もこちらの事情を解してくれるような人情を持ち合わせているタイプには到底、思えない外観です・・・。

数えてみるとギリギリあと2週間、払えるお金がありました。ホッとしましたが、よく考えると、食事を取らないという条件つきです・・・。仕方がないので最終日の宿代は銀行口座が使えるようになったら払おうと思い、あと2週間、約900円で過ごさざるを得なくなってしまいました・・・。





aokijuku at 00:01│コメント(0)

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
月別の記事一覧
最新コメント