2010年12月29日

手紙

手紙をもらうとうれしいのはわたくしだけではないと思う。最近は寸時に情報が世界中をかけめぐり簡単に情報が得られ連絡ができるようになった。
 そのせいもあって手紙を書く人も少なくそんなわけで手紙をもらうことが少なくなった。その相手が心を傾けて書いた手書きの文字から何故かその人の心情が伝わり現実に対話しているような思いさえするのが手紙である。

 古書市にはときに様々な手紙やハガキ、原稿などが何十年ものときを経て人の前にさらされることがある。電話がどこにでもなかった時代、用件のみ書かれた電報のような簡単な文章、有名な作家の借金依頼の手紙、礼状、消息などその中から様々な人生模様が浮かび上がる。生なましい息ずかいがきこえる。

 私も電話で話をするのが苦手であまりにもビジネスライクになってしまうので手紙をよく書く。手紙を書いても返事をいただけないことが多いのは何故か
日本であり海外の人はだいたい返事をくださる。何年も前、ドイツの大統領であったヴァイツゼツカー氏に手紙を書いた。無謀にもケーテ、コルヴィツツ展のカタログに文章を書いてほしいと依頼したのだ。返事が来るとは思わなかったわけではないが少しは期待感があり秘書の方から返事らしきものが来たときはさすがにうれしかった。
 大統領は今忙しくてご希望にそえない、しかし展覧会の盛況を祈ります、、、とのお断りの手紙であった。ヴァイツゼツカー大統領がドイツ降伏40周年の年1985年5月に「荒野の40年」と題しての演説は有名である。ドイツの行った様々な非人間的な行為を戦争責任として公にされた。この演説は永井清彦氏の翻訳で岩波書店からブツクレツトとして出版されている。

展覧会「響き、音楽と絵画のはざまで」 
005来年の1月15日まで作品の内容を変えながら展示している展覧会「響き、絵画と音楽」にロバート、クラウダーさんの作品が2点出品されている。小さな木版作品である。展覧会の会期中、12月8日にクラウダーさんが亡くなられたとの連絡があった。
 生前、クラウダーさんから何回か手紙をいただいた。今「The Letter 」 と言うタイトルのクラウダーさんの木版作品を展示してある。彼の詩集、The Blue Furoshiki のなかで彼が銀座に近いところにある”はいばら”と言う店で美しい手漉き和紙の便箋を見つけたときの感激を詩に詠っている。

 本当に日本を愛してやまなかったクラウダーさんだつた。

 


aokijuku at 10:53│コメント(0)

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