2010年01月10日

【ひとこと】JAL問題

年が明けて思いがけない財務相の交替があり、JAL再建のシナリオ―私的整理か、法的整理か、の綱引きは、管副総理兼新財務相により一気に断が下された。今日(1月8日)の新聞には「日航、更正法活用で再建」の見出しが踊り、法的整理の活用により企業再生支援機構のもとで再建が進められる政府方針が固まった。19日にも会社更生法の適用申請、と報道されている。
当初は、整理は考えていないとしていた前原国交相の発言も、自らが勢い込んで編成したJAL再建タスクホースが10月下旬にお役御免となり、再建は公的機関としてスタートしたばかりの企業再生支援機構に初の大仕事として委ねられることがきまったあたりから、法的整理の可能性も排除しない、などと微妙に変わる。いっぽうJALの業績は悪化の一途、資金繰りは窮するばかりで、日本政策投資銀行がつなぎ融資を繰り返さざるをえなかった。表向きは公的資金ではないが、政策投資銀行は100%政府出資の銀行である。税金で運営されていると考えてよい。
昨年7月13日のブログで、「経営改革の確たる見通しもないまま公的資金をずるずるつぎ込んだ、リーマンショック後のブッシュ政権のGMとよく似ている。そうすると、半年後の運命は破産法適用である」と述べた。それからほぼ半年、今回の法的整理の方針決定がなされた。米国と違う事情は、夏に参議院選挙が控えているという政治日程の圧力である。しかし、このような内向きの事情を踏まえただけでは、再建はおぼつかない。新生JALには思い切った外向きの視野が必要である。


aokijuku at 00:10│コメント(0)

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