2020年11月

2020年11月28日

ビュッケブルグ歳時記 237

歴史的最悪日?!

 日本の国技は大相撲ということですがドイツの国技はサッカーです。観客を締め出しても催されるサッカー競技は、コロナ災害に悩んでいるファンにとっては溜まっている覇気をはき出せる小さなチャンスでもあるわけです。
 国内チームのリーグではなく、ナショナルチームの対戦となれば普通の人も自国の応援のために TV の前に座って自国チームを応援するのは、自由行動を制限されたコロナ時代のささやかな楽しみとして多くの人を惹きつけた一夜が先週の17日、セヴィリャ からの夜間放映だったのです。

 スペイン対ドイツ戦です。

 多くの都市が持つサッカーチームや、その中の専属選手は多すぎてとても覚えられないのですが、ナショナルチームのだいたいの人系は知っていたので、わたしもTVの前に座りゲームを見たのですが、全然の素人のわたしでも最初からこの日のドイツ軍の球捌きは、スペイン軍には追い付かないということがわかりました。高くても低くても飛び交うボールのほとんどがスペイン選手の脚元でゴールを待つという情景だったのです。そして結果は6:0というスコアでドイツチームの大敗となったのです。

 この残酷な戦果 の後残ったのは、次々に出てくる連邦トレーナー J. Loew (以後ヨギ(愛称)とする) への批判です。
 フランスの一新聞は「スペイン監督のE. Enrique は弱いドイツ軍を粉砕した。
どの部分をとってみてもドイツ軍は劣っていた」と批評し、7Milion を越える観映者と解説者、昔の参加者シュワインスタイガーも「一国チームとしての価値が見えなかった」との酷評を発表していました。

 今年60歳のヨギは2006年の1月にドイツのナショナルチームのトレイナーの地位についたので14年間この役を果たしてきたわけです。(ここでアシスタント・トレーナーは H. Flick であったことを記憶に留めていただきたいと思います)
189の Landerspiel をマースター した2018年までの彼の連邦トレイナーとして成績は良かったのですが、2018年にオランダでの世界選手権大会で0:3で負けた時から彼への批判が高まっていたのです。この時にトレーナー交換をするべきであったとの意見が、日々に多くなっているのがこのところの実情だと思います。12月4日までに、来年の3月に始まる対国大会への彼と、ドイツサッカー協会の一員とで、チーム編成案を提出することが課せられ、それによってヨギの未来が決められようとしているのです。
 今回の編成は若い、未経験の選手を多く使って、未来に備えようとしていたのがヨギの方針だったようですが、オールデイに属する34歳のゴールキーパーで、軍長をしていたノイアーの意見によると身振言語や選手間のコミュニカチオンが無かったことがよくなかったということです。そこから、今回ヨギが採用しなかったボアテン(32歳)、ミュラー(31歳)フンメルス(31歳)の採用も再考されるのかもしれません。

 最後に、真っ暗な国技サッカー成績を少し明るくする努力の見える冗談をお知せしたいと思います。

 記憶に留めていただくようにお願いしたアシスタント・トレーナー Flick氏は時折ヒステリー状況に陥るヨギの傍らで常に言葉少なく、落ち着いた物腰でヨギを助けているという印象の助けトレーナーでした。
 2014年にヨギのアシスタントを辞め、2019/20年から成績の落ちたFCーBayer Muenchen のトレーナーになり、このチームを最高地位に導いた監督でもあるのです。
 ある日、ある人の、「昔のヨギはきちんとした采配ができたのに、今はできないのはどうしてだかわかる?」との質問への答えは「ヨギができたのではなくて、 Flick がしていたんだよ!」です。
 笑えると思うのですが・・・


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2020年11月24日

【From America】「感謝祭とクリスマス」

アメリカのウインドゲイト緑です。

アメリカの東海岸はすっかり秋が深まり、晩秋というよりは初冬の気温です。
10月末には既に雪が降り、紅葉が綺麗だった木々も丸裸になりました。

かぼちゃ11月の第四木曜日はアメリカ独特のお祝いであるサンクスギビング・デーです。
秋の収穫をアメリカインデイアンと移民であるアメリカ人が共に祝ったというお祝いで、アメリカ人にとっては日本のお正月みたいな日です。家族が集まり、全米で同じメニューである七面鳥を焼いて食べます。秋らしい副菜が沢山テーブルに並び、デザートはパンプキンパイと決まっています。

そんな時期ですが、カレンダーを見ればクリスマスも一ヵ月後で、飾りつけは始めたい。でも、まだ秋の飾りつけも仕舞いたくない。というわけで、パンプキンのオレンジ色と、クリスマスの赤と緑の色が同居する不思議な時期でもあります。それは、日本のクリスマスツリーとお正月の飾りつけが同居する時期にとても似ていると思います。

二つの大きなお祝いが時期的にとても近い。どちらも大きく祝いたい。となれば、同居させるのが一番、というわけです。洋服などのファッションもインテリアの飾りつけも、季節を先取りするのがお洒落と決まっています。秋が深まるこの時期に、クリスマスの明かりを灯し始めても「季節はずれ」にはならず、ちょっと早いけど、まあ いいか、という人々の気持ちが伝わってきます。

クリスマスメールボックス日本はもうすっかりクリスマス気分かもしれませんね。これからは大きなお祝いが目白押しの一年で一番楽しい時期です。コロナの勢いは収まるところをしりませんが、工夫して思い出に残るホリデーシーズンにしたいですね。

アメリカから
Happy Thanksgiving Day!



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2020年11月17日

【From America】「フロリダのロケット発射」

アメリカのウインドゲイト緑です。

コロナで世界中が大変な時は暗いニュースが多く、気持ちもついつい暗くなりがちです。しかし、ここに嬉しいニュースが登場しました。

フロリダから送られた宇宙ロケット発射の様子を撮った友人の写真と体験をお伝えしましょう。皆さんもご存知のように、四人の宇宙飛行士の中の一人は日本人。野口聡一さんです。野口さんのことは、日本の皆さんが良くご存知なので改めてここでご紹介する必要はない、と思いますので、ここではアメリカのフロリダ州オーランドに住む友人からの写真とコメントをお知らせします。

FL ロケットアメリカ時間の11月15日の日曜日に打ち上げられた宇宙ロケット。その騒音がまず凄い。人々はバーの駐車場などから空を見上げて、その成功を喜びあったと言います。TVのニュースなどで宇宙ロケットの打ち上げを見ることはあっても、その場で見る臨場感というのは筆舌に尽くし難いものがあると思います。私も20年くらい前にオーランドのデイズニーワールドに行った時に、丁度 ロケットの打ち上げに遭遇しました。近くで見たいと思って車を走らせましたが、道路も閉鎖されてNASAの近くには行かれませんでした。セキュリテイーのためですかた仕方なく諦めた経験があります。結局デイズニーワールドから眺めたロケット発射でしたが、それはそれは感激でした。

今回は、明るい話題が少ない中でフロリダのオーランド近辺の方々は、天気が良いことも手伝って、大勢の人が外に出て空を見上げていたそうです。パーテイー好きのアメリカ人は、屋外の駐車場などで歌ったり踊ったり、陽気に宇宙ロケットの発射成功を祝ったそうです。

TVのニュースがコロナ一色で塗りつぶされている日々が早く終わることを祈って、皆で宇宙ロケット発射成功を祝おうではありませんか。野口さん、頑張れ!!


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2020年11月14日

ビュッケブルグ歳時記 236

パンでミーのもたらす変化 = 閉籠された年代

 先回のブログでは勤労界にもたらす変化をお伝えしましたが、今回は視野を広げて、この国での憂い、若い世代の被るコロナ危機についてお知らせしたいと思います。

 今の社会を作っている壮年層者が 、10年の義務教育を終えるか、またはAbitur を取って次の段階大学勉学とか、実務に着くとかを考慮した時代、1990年前後はドイツ統合の年でもあるわけです。ですから当時の若者は、ある難関を突破したことで頭が軽くなり、次の段階に至るまでの期間を、自由に満喫できた時代であったということです。あるグループは世界展望の旅行を計画したり、あるグールプは未来に偶然の出来事を託したりと、そこここで彼らを受け入れるいろいろな扉が開いた時代であったわけです。観念形態の上でも東西:共産主義と資本主義の区別がなくなった後はネオ・リベラリスムスとなるとの考えが横行した時代で、この考えが間違っていたことは時を経ることから教えられたことではあっても、そこには自発性の成長があったということです。

 これに引き換え、15歳から25歳までの今の若者、特にコロナ時代の今の若い人たちにはこれらの自由は全てLockdown されているわけです。
 ”若い” ということは、好きなところに旅をする、祝い祭りパーテイをする、知らない人と親しくなる、またこれは異性との接触にも重要な役目を果たすことを意味し、ある場合には将来の家庭構成に繋がる重要な事である。異性との交際が無くなると結婚も少なくなり、そこから子供の数が少なくなり人口減少を招くとの意見もあるそうです。
 このように、これらの事柄が全部禁止されているのがコロナ時代なのです。

 Marie は毎日図書館に通って、迫っている試験の準備に精を出していたところ、 Lockdawn のため、図書館も閉鎖されてしまい勉強のできる環境を追われてしまったのです。というのは彼女の住んでいたWG (共同住居)の友達が恋人を持ったため、住居が愛の巣になって、彼女の勉学にはふさわしくないため家に戻っているのです。ただここでも勉強は犠牲になり、軽度ではあってもデプレッション病となりテラピーに通っているとのことです。
  Lukas は最初のゼメスターをベルリンの大学で始めたそうですが、全てがon-lineで行われ、以前のように学部についての説明とか、歓迎会などは皆無で講義の行われる講堂に人の姿は見つからなかったと、新しい人間サークルを作ることに期待を持っていたのにとがっかりしているそうです。
 15歳のLeo は10学年の義務教育の後は Duales Berufs Ausbildung (現場と職業学校の2本立て)で自動車技術者になろうとしていたのですが、その訓練場を見つけることができず、毎日お昼の12時まで寝ていて、その後も寝巻きのままうろうろしていることから母親の神経を刺激しているということです。 

 ”Young Minds“ のT.M. 氏は、コロナ時代の若者は修養期間、労働時間、日常
些事などの変化、特に社会的隔離に対する医学的対策法を習う、すなわちテラピーを受ける人が多くなっていると述べています。これは若い人たちの間に、ある種の精神障害が多く発生しているということです。 

 このような現状に対して 社会民主党のGiffey家庭大臣は次のような対策案を出しています。
1、政治教育を奨励する。これは若者に、ヘイトスピーチや陰謀に対する抵抗力をつける助けとなる。
2、若者たちの声を尊重する。
3、選挙年齢を18歳以下にする。

 コロナはこのようにヴィールスによる病気で世界の人間を 脅迫するだけでなく、これからの世情を大きく変化させる要素も持つ病魔だと思うと、本当に怖くなります。1日も早く有効な予防注射薬が作られることなどで退治できるように願いながら・・・。


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2020年11月10日

【From America】「ソーシャル・デイスタンス」

アメリカのウインドゲイト緑です。

日本の皆さんはコロナ対策でどんなことに気をつけていますか?
マスクをする。手を洗う。ソーシャル・デイスタンス。三密を避ける。色々あると思います。
私が観察する限りでは、日本人はマスクに関しては「ハナマル」で上出来だと思います。日本人はコロナの前から、上手にマスクを使ってきましたから きっと特別なことと考えずに出来るのだと思います。一方、アメリカ人はマスクを息苦しいといって、なかなかしないので、私はハラハラしてみています。

では、ソーシャル・デイスタンスに関してはどうでしょう?
日本人は満員電車に詰め込まれて通勤する、デパートのバーゲンセールなどの買い物でも大勢集まることに違和感が無いせいでしょうか? 人との距離を取ることに余り気を使わないように感じます。私はソーシャル・デイスタンスに関してはアメリカ人に軍配をあげたいと思います。勿論、TVで見るアメリカの選挙関連の光景は、マスクをしないで肩が触れ合うような近さで集まっている様子を見かけますが、私は日常生活の場面で、距離を取ることは良く実行されていると感じます。スーパーのレジに並ぶ時、とか買い物で店に入る場合の入場制限などです。

べラージオ秋01先日、アメリカの有名なシーズキャンデイーの店に行ったら、一組(2人)ずつの入店で、店の前に行列が出来ていました。ラスベガスの有名なカジノホテルのべラージオには温室があり、年に数回テーマを替えて飾り付けをしています。今は秋がテーマですが、それも入場制限があり長蛇の列でした。スーパー大手のウオルマートも入場制限をしています。お客様側が気をつける、というよりも、店の方針で制限を設けて客の自由にならないようにしている、という感じです。一人ひとりが気をつけるというよりも、最初からルールを決めているので従わざるを得ない状態にしているのかも知れませんね。方法はともあれ、安心して買い物が出来るのは実に嬉しいです。

マスクとソーシャル・デイスタンスで日米の違いが出ているように感じました。
皆さん、コロナに感染しないように気をつけてご生活くださいね。


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