2018年02月

2018年02月13日

【From America】「子供のうつ病」

アメリカのウインドゲイト緑です。

うつ病日本でもアメリカでもうつ病に悩む人は大勢います。心の病は身体の病と違い、血が出たり、痛い痛いと痛みを訴えたりすることがないだけに、周囲に理解してもらうのが難しいものです。

今まで、うつ病というのはある程度の年齢になってから、社会性をもった生活をしていく間に様々なストレスなどを抱えていることが原因で発症すると考えられていたようです。しかし、最近のアメリカの研究では小さな子供でもうつ病になる。その年齢は3歳の子供もうつ病になっている、ということが分かったそうです。そして、そのうつ病は大人になっても続いていくそうです。アメリカのうつ病治療というと直ぐに頭に浮かぶのは、心理セラピストに会って自分の心のうちを話す、というものです。しかし、まだ会話もしっかり出来ない、語彙の少ない3歳児をどうやって診断、治療するのでしょう?

小さい子供のうつ病のサインは、普通の子供以上にぐずったり、泣いたり、怒ったり、ということが挙げられていました。治療は親子で行い、医師のモニターの下で子供と遊んだり、本を読み聞かせたりして、そのような子供に対してどうやって周囲が対処していくかを指導してもらう方法が紹介されていました。
小さい時にうつ病を治してしまうことが、うつ病患者を減らす一番良い方法だとTVでは伝えていました。

現実的には一体何人の人が、自分の子供のうつ病を発見すること、治療をすることが出来るだろう? 見逃してしまうことも多いのではないか? と思いましたが、ふと「三つ子の魂百までも」という言葉が頭に浮かびました。

少しでもうつ病を減らすことが出来ると良いですね。


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2018年02月10日

ビュッケブルグ歳時記 172

Zeugnis = 成績証明書


 2学期制のこの国では先週の金曜日2月2日が学期の終わりで、基礎学校3年生以上の生徒達はそれぞれ、第一学期の成果が記された成績表を受け取りました。1、2年生は、受け持ちの教師が記した言葉による批判が成績表となります。
 成績は、日本と同じように1から6の点数でつけられるのですが、最上が1で、最下が6というのが違うことです。


 終業式の後に続く月曜日(即ち2月5日)は、”動かし得る休日”として学校は休みでした。こちらではこの学校休日は、州で決められていると思われるのですが、結構多くあるように思えるので、参考のために書きました。例えば国民休日が火曜日になった場合には、その間の月曜日を可動休日として学校は休むわけです。4日間の連休となり、家族との小旅行も出来るわけです。
 

 わたしの受け持っているピアノは部活としてなので成績をつける必要は無いのですが、基礎学校の生徒には、なにか、どこかで褒める点を探して、なるべく良い点を付けたりして、忍耐の要る練習を奨励するようにしています。

 今日は生徒の一人、テアのことを聞いていただきたいと思います。
 テアは、昨年、4年の基礎学校を終えて、ギムナジウム(ドイツの高等学校)に進学した生徒なのですが、5歳で基礎学校に入学が許されたという、心身ともに成熟度を評価されていた生徒だった(過去形に注目を)のです。ピアノについても、一つの音を弾いて、その音が消えるまでじいっと聞き入るとか、雨の音を作ってみたの、などという、他の子どもたちにはなかった音との戯れで、わたしを驚かせることが度々でした。そして又、宇宙にはすごく興味があるのだと云って、太陽から近い順に惑星の名を教えてくれたりする子でした。なんとなく物事の原点を考えているかのような、哲学的とも思える印象がありました。
 それが高校に行くようになって変わってきたのです。ピアノの練習もしなくなり、「今、したいことは眠むることだけ」だと云ったりするのです。そして、「今の学校には友達は一人もいない」とか、「先生がなにか云っても私の頭に中には鳥が飛んでいて、そのことだけしか考えられない」とか、「この間から、セラピーに行っているの」などと云うのを聞くと、どうしたものかと心配になっていました。

 そこへ、昨日、母親が話しに来たのです。
 ピアノを教えるという長い経験から、近頃の、保護者の教育観点もわたしの時代とは変わってきていること知っているつもりなので、注意して話し合うことから始まったのですが、母親のおかれている立場も知ることが出来て、良い話し合いになったと思います。
 テアだけではなく、母親も心理学者の助けを借りることになったそうですが、その内容が自分には満足出来ないとか、このままで行くと、高校最初の年も落第になるかもしれないが、1年の余裕があるのでこの点は余り気に掛けない。テアが思春期に入ることを考えると、ピアノの練習をしないことは一時の停滞時期として考えてもらいたいなど、いろいろ、わたしも考え直すことが必要だと思わせられた時間でした。ピアノについては両親と連絡し合って見守ろうということになりました。


 生徒たちの一学期の成績を聞くと、ピアノにきている子ども達は平均点が1から2までのような、良い成績の子が結構多いのです。そこへ更にわたしが思って、云いたいのは「ピアノに限らず、何かを習うことはいいこと。練習が必要だから」なのです。練習の厳しさを、子どもたちに知らせるのはいいことだと思うのです。これは、少し遅過ぎますが、わたし自身に言い聞かせることでもあるのです。
 これがわたしの学期終末日でした。


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2018年02月06日

【From America】「サポート・アニマル」

アメリカのウインドゲイト緑です。

サポート犬01日本の皆さんも盲導犬などのいわゆる「サービス・ドッグ」と呼ばれる障害者を助ける犬の働きは、日常生活の中で目にすることがあると思います。お利口さんの犬達は障害のある方たちを助けて、実に偉いです。この犬達がいなければ生活できないほど障害者達は犬に頼っています。これらの犬達は「お仕事」ですから、空港やレストラン、そして飛行機の中までもご主人様についてきて手助けをします。この犬達は飛行機に乗っても良いことになっています。

サポート犬02さて、目に見えて障害のある人を助ける盲導犬が良いのなら、精神的に病んでいる人達だって、犬を連れて飛行機に乗っても良いではないか? ということになり「コンフォート・ドッグ」と呼ばれるカテゴリーが出来ました。精神的に不安定で怖くて飛行機に乗れない人が、自分の犬「コンフォート・ドッグ」を連れて飛行機に乗ると精神的に安定する、という理由でこれも「お仕事犬」ということになったのです。

それが、エスカレートして犬猫だけではなく、鳥、豚、カンガルー、アヒル、子馬などまでが全て搭乗者の心理的な支えになるとして「サービス・アニマル」という名の下に無料で飛行機に乗ることに発展しました。その動物達はケージに入っているのではなく、搭乗者のひざに乗っていたかと思えば、自由に機内を歩き回り、糞尿をばらまき、他のお客様に噛み付き、大変な迷惑をかけることになってしまいました。写真にもあるように、びっくりするようなペットまで登場しました。

サポート犬03この度これを重大視したデルタ航空は、今までは簡単にオンラインでコンフォート・ドッグやサービス・アニマルの証明書を取ることが出来ていたルールを新しいルールに変更し、
3つの条件を付けました。
1. 狂犬病などの予防注射をしていること
2. その搭乗者がコンフォート・ドッグ(他の動物も含む)が必要であるという医師の診断書
3. その動物が公の場でお行儀よく出来るという証明書

動物を飛行機に乗せる場合には、ケージに入れてカーゴ部分に乗せて運びますのでお金がかかりますが、コンフォート・ドッグという名目だと一切費用がかからず搭乗者と一緒に機内に入って移動が可能だったので、お手軽に動物を運ぶ手段として利用されてしまった可能性が高い、ということもあったようです。
動物を連れている本人は快適(コンフォート)かもしれませんが、その分、他のお客様が快適ではなくなってしまう、という不便をなくそうという動きで、デルタ航空だけでなくアメリカン航空やその他の航空会社も追随するようです。

サービス・ドッグ、コンフォート・ドッグ、サポート・アニマル、何だか区別しにくい言葉ではありますが、本当に盲導犬などを必要としている方が快適にサービス・ドッグを一緒に連れ歩くことが出来るように、ルールの乱用は止めて健常者は自粛するべき所は自粛するというマナーを守りたいですね。


aokijuku at 00:00|この記事のみを表示コメント(0)
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