2015年11月

2015年11月28日

ビュッケブルグ歳時記 121

パリのテロ


 騒動後の1週間はTVの通常ニュースの後、15から45分の解釈説明の追加時間が取られたり、トークショウも揃ってパリのテロがテーマで、メデイアはISテロ一色に塗られていました。
 IS国が施行者ということで、即シリア人と考えることになり、ドイツ市民は難民と混同してしまったのが最初の反応でした。テロ直後という時点では致し方なかったのかもしれませんが、今、難渋している難民問題を更に重くする結果はメデイアのテロの扱い方によるように思われました。
 理由は、先週末、ベルリンで政治に関心を持つ若い人たちのパリ・テロについての意見を聞く機会を持ったのですが、そこでの意見はメデイアで知らされるものとは違うもので、彼等の着眼に考えさせられるものがあったので、皆様のお耳にも入れてみたいと思います。


 若い人達はイスラム諸国の持つ問題に詳しく、例えば宗教が大きな力で社会を支配していることや多民族の国家ということから、テロをする人達が必ずしもシリア人ではないと知っていたのです。シリアはシーア派とスンニ派が戦ってスンニ派の勢力が大きくなっている所へ、イラクのフセイン崩壊の時破れたスンニ派が加わってイラクを再びスンニ派にしようと、昨年6月に武器蜂起をしたのがIS国だということです。全世界を敵視し、不信者は人でなしとする組織です。IS国といっても、国連で認められているわけではなし、世界で少数の国をのぞいてはこの組織を国と認めている国は少ないのです。

 そしてこの過激なテロ組織国はプロパガンダをしてヨーロッパ諸国から同胞を受け入れ、洗脳をした後、テロ行為の訓練を授けているのです。時間とともに今回のテロの主犯者は中近東人ではなくフランスやベルギーの国籍を持つ若者達であることが判明しています。

 主犯でベルギーで最も探されていて、パリ近郊の警察のラチアで死亡したアバウドは、マロッコからの移住民の息子で両親は苦労して彼に上級教育を受けさせようとカトリックの高校に入れたにもかかわらず道を踏み外し、そこで警察や国家に対する憎しみを育み、果てには暗殺者となったということです。

 ドイツでも過激イスラム思想に共鳴する若者は700人に上り、そのうちの400数人が特に危険人として警察のリストに挙げられているそうです。
 このように宗教の名の下で熱狂的な思想に惑わされる若者は、そのほとんどが自国でおかれた立場に満足がゆかず、テロ行為で自分を高められると錯覚してイスラム教に改宗し、残虐行為を行うのだということです。 
 ここから、翌日の全ヨーロッパ諸国による正午の黙祷などは、盲目の崇拝若者を英雄感に酔わす可能性が大きいので、哀悼の念は示しても大袈裟にしない方がよいという若い人達の意見でした。
 パリ・テロの数日後、靖国神社で爆発音が聞かれたという記事を読んだ時にはこの意見を思い出しました。日本にも妄想を抱く若者がいて、同じことをしたのかもしれないと思ったからです。

 若い人達は、今重要なのはそれぞれの国の若者たちの教育で、これは家庭の在り方や誰でもが住み易い社会を作ることに繋がる大切なことで、大仰なメデイア騒ぎより先に考えるべきことだとの意見だったのです。
 


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2015年11月24日

【From America】「感謝祭の七面鳥」

1124アメリカのウインドゲイト緑です。
アメリカでは11月の第4週目の木曜日は感謝祭のお祝いで、全国で一斉に七面鳥を焼いて食べます。これは日本のお正月のおせち料理のようなもので、アメリカ人の生活には絶対欠かせない料理です。

とは言っても、アメリカ人全員が七面鳥の丸焼きが好きなわけではありません。鶏肉に比べてワイルドな七面鳥独特の味がするため、それを好む人と好まない人に分かれます。また、鶏肉に比べて脂分がないので、さっぱりして良いと好む人がいれば パサパサして美味しくないと好まない人もいます。そんな時にどうしているかというと、見た目が似ている鶏の丸焼き(ロースト・チキン)に置き換えてお祝いをする人もいれば、鴨に置き換えて感謝祭の食卓を囲む家庭もあります。

先日 ミード湖に一羽のCanadian Goose(ガチョウ)がいました。普通ならこの時期には寒い地方に渡り鳥の群れと一緒に移動しているはずですが、どういうわけかはぐれてしまったようです。この感謝祭の時期に、そのガチョウをみて、今年の感謝祭の食卓に各家庭でどんな鳥たちがテーブルに上るのかしら? とふと思いました。
A Happy Thanksgiving Day!

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2015年11月17日

【From America】「ヒーテッド・シートの使い方」

1117アメリカのウインドゲイト緑です。

秋も深まって寒くなってきました。この時期になると車に搭載されている機能で嬉しいのが「ヒーテッド・シート」です。車の中に暖房をつけても空気ばかりが乾燥してしまいますが、座席が暖まっているのは座っていて実に快適です。

さて、ここでアメリカならではの珍しいヒーテッド・シートの使い方をご紹介しましょう。アメリカ人はピザが大好きです。多くの人は週末や金曜日の夕飯をピザのテイクアウトにしています。仕事帰りにオーダーしておいたピザを受け取り家路に急ぎます。しかし、道路が渋滞していたりすると せっかくの暖かいピザが家に到着するころには冷めてしまいます。そこで、テイクアウトのピザをいつまでも温かく持ち帰るために 車の座席についているヒーテッド・シート機能を使います。こうすれば車の座席が丁度良くピザを温めてくれるので 渋滞に巻き込まれて思わぬ時間を損失してもピザは温かいままなのです。

日本の皆さんもテイクアウトの料理を保温するために車の座席についているヒーテッド・シート機能を使ってみてはいかがでしょうか?


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2015年11月14日

ビュッケブルグ歳時記 120

ドイツの結婚


 先週土曜日の午後、市庁舎の前を通る機会があったのですが常になく人々、それも着飾った、で騒がしい人群れに出合いました。しばらくすると案に違わず、白の婚礼ドレスと濃紺のスーツの新婦新郎が戸籍役所から出てきて、小春日和の陽の下で待っていた人々だけではなく、居合わせた人々からも祝福を受け、婚姻の喜びを謳歌していました。このように、教会ではなくても、機会さえあればこの国では花嫁を市庁付属の戸籍役所で見ることが出来るのです。


 ここでドイツの結婚の仕方をご紹介します。二つの形があります。
 結婚成立には戸籍役所での婚姻が必要です。これには一般の初婚者は出生証書、現居住所証明等を、既婚経験者は離婚及び相手の死亡証明書等を、当人間に子どもがある場合は子どもの出生証書、父子関係証明などとともに申請をします。
 当日は新郎新婦の他に、結婚立会人や招待客が役所内にある婚姻儀式室に集い、
役人の式辞の他に指輪交換や新婚夫婦のキスなどの儀式が行われます。オルガンは本物のパイプオルガンではなく電子ですが備え付けられた役所もあります。そしてこれも場所によって異なりますが、コーヒー会や会食の出来る設備もあるのです。このように、当人も招待者も家で着替えをし、役所での式に参列し、その後の披露宴も新婚者の希望に添って役所で行えるのです。ですから、後日、教会での式を予定しているカップルは役所での公的結婚式には少しドレッシーな服にスーツという
半礼服でとなりますが、役所での式のみでよいがウェデングドレスは是非着たいという花嫁の夢が実ると、前述の街での民衆を交えた祝賀風景となるわけです。


 もう一つが私たちが外国映画でなじんでいるオルガンのウエデイングマーチに合わせて父親のエスコートで入場する華やかな花嫁で始まる教会での結婚式です。ドイツでは役所での公的婚姻終了が必要条件ですから、教会式だけでは法律上の結婚とはなりません。先ず上記の戸籍役所で結婚証書を取らなければならないのです。
 神の前で二人の死に至る迄の愛を誓い、神の祝福を請うのが教会式の目的です。旧と神教では考えに違いがあり、カトリックでは結婚は秘跡として取り扱われるため、現在も2度目の婚姻を認めないことが大きな違いです。
 教会での式は希望する婚約者だけが行います。


 夏の始めに知り合いの教会での結婚式に招かれました。新郎の家柄が古く又裕福な故か、式の後、近くにある古城での披露宴には約100名の客が招待された大規模なものだったのですが、気付いたのはこの客の大部分が若い世代で新婚夫婦の友達だということです。年配者は親族以外に居ないのです。また、職場の関係者も少ないことから、常時、笑い声の響く若々しい披露宴だったのです。15年ほど前に招かれた小規模の結婚式も服装はくだけたものでが条件でした。そして新郎の父親は、いかめしい挨拶をする場合は退場を要求するとの警告を息子からもらっていると即興のスピーチで打ち明けて会場の笑いを誘っていました。
 この2つの例から、この国の結婚式とは”二人の個人の日”で、この定義に守られているという感じを持ちました。大きく云うと個人の自由と人権が守られているという感じを持ったのです。結婚式も民主的だとするのは言い過ぎでしょうか。


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2015年11月10日

【From America】「犬の名前」

1110アメリカのウインドゲイト緑です。
皆さんはなにかペットを飼っていらっしゃいますか? ペットは実に可愛いもので家族の一員になりますね。

さて そのペットの名前ですが、赤ちゃんの名前が時代と共に変化するようにペットの名前にも流行があるように思います。例えば、昔なら犬の代表的な名前は「ポチ」だったのではないでしょうか? 猫なら「シロ」などでしょうか? 最近は外国のカタカナ名前のペットが日本では多いような気がします。

アメリカでも犬の名前に流行があるらしく、先日TVで発表していたのは 雄犬の一番人気が高い名前は「マックス」。そして雌犬の一番人気は「ベラ」だそうです。しかし私の周りのペット達を見回しても、マックスもベラもいません。
私の感じている多い犬の名前は「ジンジャー」とか「ココ」などでしょうか?

日本にはどんな名前の犬が多いのか一度調べてみると面白いかもしれませんね。時代は繰り返すと言いますから、キラキラ名前の犬たちの後には「ポチ」や「シロ」「ブチ」など昔懐かしい名前がかえって素敵になることもあるのかも知れません。


aokijuku at 00:00|この記事のみを表示コメント(0)
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