2015年09月

2015年09月29日

【From America】 「アメリカ人が不思議に思うネーミング その2」

collonアメリカのウインドゲイト緑です。
前回に続き、今回も日本の商品名を聞いてアメリカ人がびっくりするものを取り上げてみたいと思います。
グリコの「コロン」です。あの円柱形のコロコロしたお菓子にはぴったりのカワイイ名前だと思います。ところがこの「コロン」と言う音を英語圏の人が聞くと「結腸」という意味の言葉を思い浮かべてしまうようです。更にあの形が腸を輪切りにしていった感じを受けるようで、「えっ?」という反応になってしまいます。
日本人だったら「コロン」という音を聞いても、小さいものがコロコロ転がる感じの擬音とか、コロンと寝転がる犬や猫など可愛いイメージしかありませんね。或いは香りの良いオーデコロンでしょうか? いずれにせよ、日本人には好感の持てるネーミングです。

しかし母国語に似た音を当てはめた場合には、英語圏の人が最初にイメージするものが日本人とは違います。
前回のポカリ・スウェット同様、印象に残る、話題性がある、という観点から見ればこれもまた成功なのかも知れませんね。


aokijuku at 10:39|この記事のみを表示コメント(0)

2015年09月26日

ビュッケブルグ歳時記 117

避難民問題 つづき


 殺到する難民の受け入れ準備が追いつかないため一時的国境閉鎖はあったものの、受容準備体制は、はじめの一地方から、都市、州、EG国へと広がっています。
 週始めのEG内務大臣会談では、裕福とは云えない東ヨーロッパの国々が受け入れ拒絶なのは仕方の無いこととして、この国々への罰金義務は賛成数を得られなかったようですが、ギリシャとイタリーの受け入れ難民の数を少なくする救助策には合意が多く、ヨーロッパ人のEUへの強い団結意識が示されたように思われました。
これは既述のEG崩壊の心配を薄くすることだとほっとしました。


 これで難民受け入れは一段落したわけですが、何故難民が出るかを考える時、その基ーーこの場合はシリアの戦争ーーがある限り問題が終わったことではないわけです。受容体制設定と同時に、難民問題の起因を無くすこと、即ち戦争を中止することが必要なわけです。
 次の日のニュースで、米独の外務大臣会合が行われ、アメリカも難民問題解決に加わったことを知りました。先ず、今迄に受け入れた7万人を年毎に増やし、2年後には年間10万人を受け入れるとのことで、難民問題改策は世界に広がっているわけです。そして、ケリー外相がアメリカがシリアに対する政策を新方向に向けると発表したと報じられました。戦争中止のためにモスクワと協力するとの意向です。今月末の国連総会の折りに、オバマとプーテインがこの問題について会談を行うとのことです。これによって少しでもシリアの国情が改善に向かうことを願うのはシリア国民だけではなく、世界中の戦争を厭悪する人たちの願いだと思います。このように難民起因に世界が立ち向かい始めたのを知りました。
 

 シリアは現在 1. イスラム教徒でありながらアサッド政府に反抗する反対党と 2. この反対党と共盟しているゴルフ湾沿岸のIS国と 3. トルコとクルド族PKKとの争いと、計3つの戦争をしていて、そのため既に国民の約半数を失っているということです。
 ドイツのメデイアは、モスクワとアメリカによる出撃とドイツの出兵によって戦争中止は可能性があると見ているようです。イランが核条約に調印して以来、
アサッド大統領は昔のような妄執的な圧政者ではなくなっているので、現状は戦争中止に適しているとの記事を読みました。次のような内容です。「先ず、IS国を打倒しようと思う前に、アサッドを制覇することだ。アサッドに権力を一時放棄してもらい、ダマスクスに暫定的政府をおく。これで1. の闘いは終わる。この案は国連の安全保障理事会も話し合いを進めようとしている。その後は、相手のIS国に対して国際軍事同盟国ーー米、ロシア、トルコ、シリア、イラククルド、アラブ諸国、ヨーロッパ、オーストラリアが手を取りあって立ち向かう。ロシアは既に戦車や戦闘機を提供して軍事介入を行っている。IS国は毒ガスを使ったり、世界遺産を破壊したりする野蛮人の集まりである。このまま放っておくといずれトルコ、エジプト、アラブ諸国もリビエンと同じ運命にさらされる。IS国は2ー3年後には自分たちの勝利を収める大戦闘を計画しているとの噂もある。そうなった場合はこれは対IS国との世界大戦となるのだ!」                          
                                                               

 ドイツのポシテイブな予想が当たって、一日も早くシリアに平和が訪れるように願いつつ・・・。 




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2015年09月22日

【From America】 「アメリカ人が不思議に思うネーミング その1」

アメリカのウインドゲイト緑です。
pocari新しい商品開発をした時のネーミングに関してはとても気を使うところだと思います。いくら素晴らしい商品でも、パッケージやネーミングでイメージが悪いと売れない、ということも多々あります。その商品を売る市場が日本だけであれば、日本人の感性、音の響き、などを考えて決めれば良いことでしょうが、世界市場を視野に入れた場合には外国人がその商品名を聞いた時に何をイメージするか? ということも大事なことになるでしょう。

今回はアメリカ人が聞いてちょっとびっくりする日本の商品を2回に分けてご紹介しましょう。その第一弾は「ポカリ・スウェット」です。今年の暑い夏には熱中症予防のドリンクとして大人気だったことでしょう。発汗によって失われた水分、イオンを補給するドリンク、ということを的確に表したいという意図がとても良く分かる商品ですね。この種のドリンクの代名詞にもなっているポカリ・スウェットですが、英語を母国語にする人がこの名前を聞いた時の反応は「えー? 汗を飲むのは嫌だなあ」ということになるようです。汗をボトルに詰めて売っている飲料水というイメージになってしまうのかも知れません。
しかし、印象に残るという点では効果抜群。話題性と記憶に残ること、そして更に味も良くて効果も高いとなれば、これはよくよく考えた上でのネーミングの成功例なのかも知れません。


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2015年09月15日

【From America】「苗字が非常に長い人」

年賀はがきアメリカのウインドゲイト緑です。

秋になり、そろそろ年賀状の準備を呼びかけるチラシが郵便局から配られる時期になりました。年賀状は一年に一回 ご無沙汰している方たちに近況をお知らせする良い機会です。結婚しました。子供が生まれました。など嬉しいお知らせが届くと 受け取った側も頬がほころぶものです。

日本では結婚すると女性側が男性側の姓に変更するのが一般的です。しかし、最近では夫婦別姓という方もいるでしょう。いずれにせよ、姓は一つの名前しか選べません。一方、アメリカでは女性が旧姓を残してハイフンでつなぎご主人の姓を後に加えることも多々あります。つまり山田花子さんが鈴木さんと結婚したら 「花子 山田―鈴木」というような形ですね。これを見ればその人の旧姓も分かり、現在のご主人が分かりますので、子供が鈴木太郎となっても親子関係もよく分かります。

ここで、嘘のような本当のお話を一つご紹介します。
離婚が多いアメリカですが、結婚離婚を繰り返してご主人が二人も三人もいる女性も珍しくありません。そんな時、アメリカでは結婚相手の苗字をハイフンでどんどん加えていくことが出来るようです。つまり上記の山田花子さんの場合、「花子 山田―鈴木―佐藤―田中」というようにどんどん後ろに新しいご主人の名前を加えていく方法です。どうしてそんなことをするのかしら? と思う方もいらっしゃるでしょうが、それぞれのご主人との間に子供が生まれていた場合には、子供の姓は父親の名前になりますのでこの方法をとることで親子関係を表明することができるわけですね。

一年に一回の年賀状で新しい名前になったことをお知らせする時に、こんな長い名前の年賀状が届いたらきっとびっくりしてしまうことでしょうが、名前を見ただけでその人の近況がわかるのでしょうね。しかし、そんな長い名前を使うのは正式なフルネームを使うパスポートくらいでしょうか。実際の生活では、旧姓と最新のご主人の名前を使うだけと聞いています。ファースト・ネームとミドル・ネームを持つアメリカ人はただでさえ長い名前なのに、苗字がたくさんハイフンでつながっていると、氏名欄をかなり長くしないと書ききれないですね。「国が変われば品変わる」面白いですね。

aokijuku at 00:44|この記事のみを表示コメント(0)

2015年09月12日

ビュッケブルグ歳時記 116

避難民問題


 今、ヨーロッパに溢れている避難民についての状況はメデイアを通して日本にも通じていると思われますので、私からは周りで起っている市民の反応をお伝えしてみます。


 9月5日にいろいろな障害を乗り越えてミュンヘンの中央駅に到着した2万人の中から約300人がビュッケブルグ駅に到着したのは8日の早朝です。シリア、
アフガニスタン、エリトレア、ガーナ、ソマリア、イラクからの避難民で、この人達の受け入れのための宿泊所準備には、消防所員や赤十字付属の救助員の他に
100人のボランテイア市民が参加したと翌日の新聞に大きく載せられていました。宿泊所となったのは前に書いた兵営舎の広間で、そこへ250の簡易ベット、移動可能なトイレ、シャワー設備などを一夜のうちに設置したのです。この他に糧食支給の準備や医療所の設備なども万端整えたということです。この宿泊所は一時的なもので、難民はいずれ決まった受け入れ施設に移って行きます。
 このように避難民歓迎の側に立っている市民が多いのです。これはやはり政府の人道的にも倫理的にも受け入れを歓迎しようとの方針に従う人たちで、中でも
メルケル首相のはっきりした意志表示が強い支柱となったようです。これまで、地方に予定されていた避難民のための住居に火を放つなどの難民ヘイト行為が度々あったのですが、それに対して政府及び首相は、「このような行為はならず者のすることで、世界が信頼の出来る国と見ているドイツにはあってはならないことである。我々はドイツ人としての品位を保ち、裕福な国こそ出来ることとして難民受け入れをヨーロッパだけでなく世界中に示そう」という声明を出したのです。
 反面、隣の市に住むわたしの同僚、アナのように「引っ越さなくてはならない。向かい側の、今迄空いていたアパート群に700人の男性避難民が収容されるから」と、恐ろし気に云う難民断絶を目指す人もいますし、「ギリシャに大金を貸して、又難民にお金をかけるなんて」と、歓迎に反対意見の市民も多くいることは否めません。


 テーマを”避難民を受け入れることで政治面や社会面で変わるのはなにか”とする、ある社会学者のインタビューの主旨を簡単にご紹介したいと思います。「*ドイツは今年、80万人の難民を受け入れる予定だが、これには特に労働と住居関係での構成改正が必要になる。*避難民の多くは能力と素質を持っているものが多いと思われるので新しい環境になじむのも早いだろう」そして、「*人口統計面から見ると今のドイツには年間50万人の若者が必要である。世界中がそうであるように我が国も老人社会となっているので、それに対する策として若人難民を歓迎する」 この人口統計学からの見方は私の耳には新しい事柄でしたが老人社会との関連を考えると重要なことに思われます。「*宗教の違いなどから社会的な融合の面で困難があると思われるが、国が”移住国”となっていればこの問題は避けられる。以後、ドイツは時間をかけて冷静に移住法規改正をする必要があるだろう」と、難民受け入れに好意的な意見なのです。


 ギリシャとの問題で特に気がついたのが政治にも寛容精神が必要ということですが、難民受け入れ問題でもこの事を再認識しました。過去の歴史から学んだものかもしれませんが、ドイツの政治にはこれがあるように思えるのです。

aokijuku at 00:05|この記事のみを表示コメント(0)
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