2023年05月30日

【From America】「銃の使用に本人確認」

アメリカのウインドゲイト緑です。

銃01アメリカでは一般の人でも銃を持つことが出来るため、子供が誤って使ってしまい悲しい事故になるケースが度々報道されます。その度に銃の規制をめぐって議論をかもし出すのですが、アメリカは自由の国です。自分の身を自分で守るためには銃が必要である、という主張があります。

銃02人をターゲットにするわけでなくても、天井に向かって銃を撃つだけで悪人は逃げていくから効果がある、という人もいます。私もアメリカに来た当初、銃を買ってあげようか?と聞かれて、「とんでもない、結構です」と断りました。使い方が分からないものを持っていて、逆にこちらが撃たれては怖いな、と思いました。すると、僕が使い方 教えてあげるよ、という人まで出てきて、これもまた「とんでもない、結構です」とお断りをしました。

銃を所有するには登録が必要です。しかし、家に銃があると家族が誰でも使えます。或いは、泥棒に入ってきた人が銃を見つけて使うことが出来てしまいます。先日TVのニュースで扱っていたのは、登録した銃の所有者以外の人が使えないようにするため、本人確認の機能を付けることが出来るようになった、という話題です。
本人確認をするのには様々な方法がありますが、以前からある方法としては指紋確認ですね。指紋はその人独特の形をしていて、同じ指紋を持っている人はいない、ということで外国人登録などでは必ず指紋認証が本人確認に使われていたようです。
しかし、最近は顔認証なども発達してきましたから、銃を入れたケースを開ける際に顔でチェックをかける、または銃本体にもそんな機能が使えれば、安全性はぐんと増して、子供が銃で遊んでいての不慮の事故はぐんと減るのではないか?とこのニュースを朗報と思いました。

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2023年05月27日

ビュッケブルグ歳時記 297

今のドイツ・・・ 労働の日(5月1日)をめぐって


 続くウクライナ戦争だけでなく、世界中の経済がインフレとなっている現在ですが、5月1日は ”労働の日” で、その日の新聞に掲載された記事は、この国の現在の様子をよく示していると思われますのでご紹介してみます。


 見出しは『 ”週4日間の労働” が実現した場合には良い結果が得られるだろうか』です。

 今年の労働の日には、この国の社会は現在の一週間に5日間働くことからくる労働者のストレスを解消するために、 労働日を4日間とする ”週4日間労働制度” を望んでいるのです。そのためには、アンペル連立党の承諾が必要で、その交渉役にSPD(社会民主党)の女性議長が当たっています。

 この議長と新聞記者との会談の内容を少し詳しくお知らせしてみます。


* 議長の言:『5月1日 は歴史的には ”ストライキ日” です。19世紀には、工業国となったドイツで、労働者が自分達の立場を強化するために作られた『戦う日』でした。
 そして160年前には、このような労働者の行動を支持し、守るためにSPD=社会民主党が作られたのです。 工業国にとって労働者の権利を見守り、保証することはとても大切なことなのです。この動きは残炎ながらその後ヒットラーの時代に闘争力を奪われてしまっていました。』


* 労働時間については、1950年に、一週間5日間労働となり「これからは、土曜日のパパは僕のもの」となりなりました。そして今回で4日間労働となると「土・日はパパとママがわたしのもの」となるのかという質問には、
 『そのとおりです。労働者階級の両親には彼らのそれぞれの家庭をマネージする義務があり、それを全うするためにはそれに合った時間が必要なのです。
 このことは、ドイツだけではなくヨーロッパ全体に、ある仕事の専門家が必要になっているという今の労働界の老化を矯正するためにも効果的だと言っていいと思われます。
 労働者が個人の時間を多く持てることは、個々の生活に満足することなのですから』


* 労働時間短縮と給料調節については、
 『もちろん調整が必要です。今の給料が、今の生活を続けるためには十分ではないということも明白です。労働時間が短くなるということから、個人の仕事を自分でできるということや、一日通勤が少なくなることから出費が少なくなるなどの諸事を抜いても、給料の調整は国の大きな仕事となると思います』


 このような国のアイデイアについて ”大きな拍手を送る” との組合からの記事も掲載されていることもお知らせしておきます。

 このように ”余暇=自由な時間" が再発見されているこの頃のドイツなのです。
 『週4日間の労働制度』が実現されるかどうかはさておいて、このように市民の求めることを聞き流すのではなく、討論してみるというだけでも、国民の意向を忘れていない民主政治のように見受けられるのですが・・・

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2023年05月23日

【From America】「衣替え」

アメリカのウインドゲイト緑です。

日本は新緑の美しい季節になり、窓を開けると気持ちいい風が部屋の中に入ってくる時期だと思います。
梅雨に入る前のこの時期は、衣替え、の季節ですね。冬物と夏物を入れ替えて、クリーニングに出したり、お洗濯をキチンとして大切な衣類が虫に食われないように防虫剤を入れたり、と次の季節にまた気持ちよく着るための準備をします。

さて防虫剤ですが、臭いのない製品もあるものの、殆どの防虫剤は臭いがあり、次の季節になった時に取り出して着る際に防虫剤の臭いが気になることはありませんか? 勿論それは丁寧に手入れをしていた証拠になるのですが、やはり最初に取り出して着る時には気になりますね。

そこで、アメリカの人たちが使っている天然の防虫剤をご紹介しましょう。それはシーダー、つまり杉の木なのですが、これには防虫効果があります。特にレッドシーダーと呼ばれるものは、100%ウールや100%絹のものを食べてしまうあの憎き虫をはじめ、ゴキブリやカビも防いでくれる優れものです。天然の木を使っているためにほんのりとした木の香りはしますが、モスボールと呼ばれる人工的な防虫剤のようなきつい臭いはありません。勿論 天然の木ですから半年くらいでその香りは消えてしまうのですが、紙やすりで表面を削ると下から新しい木の表面が出てきて、その効果が蘇ります。

シーダー防虫剤写真のようなハンガーとしてクローゼットの中に吊るすタイプや丸い形のものはタンスの引き出しに入れるとか、細かく刻んだ木片を布の袋に入れた物など、様々な形のものがあります。そして究極の防虫対策は、クローゼットの中の天井から四方の壁をシーダーの木で覆ってしまう方法もあります。こちらはドアを開けた途端にとても良い香りがする空間になります。

誰でも大切な衣類を虫に食われてしまうのは嫌だし、ついうっかりして大事なセーターに穴が開いてしまったなんてことがあっては後悔してもしきれないですね。この衣替えの時期、こんな天然の防虫剤を考えても良いかもしれません。


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2023年05月16日

【From America】「電話のクローズドキャプション」

アメリカのウインドゲイト緑です。

年齢を重ねると耳の聞こえが悪くなるのは避けられない老化現象の一つですね。それを補うのは補聴器です。しかし、補聴器を付けていてもハウリングを起こすなど電話の会話を上手に聞き取るのはなかなか難しいようです。

字幕電話アメリカのTVコマーシャルで見つけたのは、電話の会話を字幕にして読むという形です。
クローズドキャプション(CC)つまり字幕は、最初は外国映画の翻訳として私たちにとって身近なものでした。外国語の映画を観るときに画面の下のほうに翻訳したものが出てきて、言葉が分からなくても映画を楽しめるというものです。その後、耳の不自由な人の為に日本語の番組でも日本語を字幕にして表示することが可能になりました。

そして、今では耳が不自由な人でなくても誰もが利用できる便利な機能になりました。例えば病院の待合室などでは音声を絞って、或いはミュートにして、音声が無くても待合室で順番を待つ人々がTVを見られる目的で使われています。また、音声を普通にしてTVを見ていても、方言で話している場合、外国人が話している場合など、音声だけでは聞き取りにくい場合に、話していることが誰にでもわかるようにという目的で、今では誰もが便利に利用しています。

そして、その機能を電話に採用して、耳の聞こえが悪い人たちの助けにしよう、というのがこの電話に字幕を付けたアイデアです。勿論、老人は老眼になっていますから、電話の字幕を読むのにはメガネが必要ではありますが、なかなか面白いアイデアだと思いました。


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2023年05月13日

ビュッケブルグ歳時記 296

今のドイツ


 ウクライナ戦争の行方もわからないまま、インフレ、食料品の値上がりから庶民の生活が脅かされることから、ストライキ(以下、ストとする)が激化しているこの頃のドイツの世情はお伝えしましたが、今回はその結末をお伝えしてみます。
 それと同時に、日独民主主義の友好国なのに違うところも多くあるのだと気がついたのでそのことも知っていただきたいと思い書き添えてみます。(かっこ内)


1)Blog 294 でお伝えした二つの大きなストのうち、IG Metall の鉄道関係の解決は、4月の末までに3−4回の交渉が行われたにもかかわらず、決裂したままの状態ということです。ですから今までに数度、部分的な鉄道ストがありました。

 (昨年、日本で「電車が数分遅れた」というだけで運転手が減俸処分を受けたという記事がこちらで発表された時は、記事を信じられない人の方が多かったと思われます! それほどこの国の汽車のタイムは不確かなのです)


2)それに反して、 Ver Di の公共サービス仕事についている労働者に対しては大きなコスト上昇が決定されたと4月24日の新聞に発表されました。その様子を少し詳しくお知らせしてみます。

 特別資金として3000ユーロが支給される。その内1240ユーロは今年の7月までに支払われ、残りの金額は月額220ユーロが2024年の2月までに支払われる。その後は200ユーロとなり、これは5、5%の昇給となると考えてよい、という交渉結果が発表されています。

 この昇給を受けられる職種とは幼稚園の先生などの教育者、バスの運転手、水泳所の労働者、汚水処理所労働者、消防関係者、森の管理人、老人介護者などの250万人です。

 例えばゴミ集めの労働者は357ユーロの昇給を受けられることを意味する。この労働賃金協定は今までで一番高い昇給率と言って良いものである、とのコメントが地方自治団体の団長から出ているということです。

 そしてこの現象は雇用者にとってはどのような意味を持つかというと、地方自治団体と街にとっての散財となり17 Milliarden が必要だと発表されています。

 (この国の労働組合の持つ強い力に驚いてしまいます。日本で組合が勝ったことはほとんどないと思われるのですが・・・私の思い違いでしょうか)


3)今年の7月にこの国では年金が値上げされます。考えられていたより多額で東は5、86%、西は4、39%ということです。
 値上げは労働市場が順調であることと、一般の給料が上がることが原因であると発表されています。

 (この国の年金省は、「我が国の年金状況は健康である。3、4Milliarde(10億)の過剰蓄え金もある」との、安定性を誇っているということです)


 このように、鉄道問題を除いてはこの国の未来はそう暗くないように思われるのですが、本当にそうあってくれるように願いながらのブログです。

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