2023年03月11日

ビュッケブルグ歳時記 292

Maseburg 城で行われたアンペル連合党の中間会議


 SPD(社会民主党)+みどりの党+FPD(自由民主党)での連合党による政策が、一つの党で行われる政治よりも合意が難しいことは当然だと思われます。その成り行きを緩和するための会議が、EU=会長を迎えて3月4、5日の週末に上記の城で行われました。その内容をお伝えしてみます。


* 経済政策・・・・中心となるのは、ヨーロッパ中のエネルギー推移で、石炭などの時代遅れの燃料を追放して、ガス、オイル、太陽、風力などのエネルギーを確保することが今後の課題である。
 ロシアからのガスが止められたにもかかわらず、我が国は技術者の努力によって、全国の8ヶ月間の暖房を確保できる機能(歳時記 287でのLNGターミナルのこと)を確保したことは誇りに値する。
 また地球温暖化をこれ以上進めないためには、欧州の経済を上向にし、その状態を保存する必要がある。


* デジタル化の促進、人工能力の発展と利用法を図ること。


* ドイツの Fachklaftmangel (専門家不足)は、我が国だけの問題ではないので、欧州全体の規模で考えることが必要。


* Kindergrundsicherung (子供達の基礎保護法)今までは暮らしの財政に紛れ込んでいたことが多かったが、みどりの党の要求で2025年から独自の法として取り扱われる。
 ”富んだ国”として通っている我が国の子供たちが、貧しい思いをしていることは許されない、がみどりの党の意見。


* 最近、財政担当のFPDが2024年度の予算70Milliarde (1Mrd.=10億)を発表したが、”倹約予算” であるとして、SPD も みどりの党も不満を持つ。


* 2024年からは、使われる暖房装置は、それに使うエネルギーが他のエネルギーでも使える装置のものしか許可されないということになっているが、これは家の建築や、工事費が高くなるとして不賛成の声が大きい。


* SPD 党は、2035年には Verbrennungsmotor(内燃機関モーター)を使った車の製造を中止するという計画だが、FDP 党は反対で Klimaneutrale Synthetische Kraftstoff(天候にあった合成動力用燃料)を使うことも許可されるべきだとの意見だが、SPD はこれを良しとしない。


* これからの運送は道路を使用することになるだろうとの意見を持つFDP党は、新しい高速道路を速く作れと言っているが、みどりの党は、するべきは温暖化対策だと主張している。


 このような会議風景が発表されましたが、これらの案の解決は3月末に行われる ”連立党委員会”で決定されるだろうということです。


 最後に、中間会議の内容発表の終わりに聞いたショルツ首相の言葉は、国民をも巻き込む民主政治のように思われ、感銘を受けました。
 それは、 ”我が国の社会と経済の近代化は、国民の同意と確信を得ることからこそ出来ることである” です。

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2023年03月07日

【From America】「極寒のNY地方」

アメリカのウインドゲイト緑です。
この冬は日本でも大雪がふってかなりの被害が出たり死者が出たりというニュースがアメリカにも届き、自然の厳しさを痛感していると思います。2月の初めの週末にはNY/コネチカット地方にも極寒と言える超低温が訪れて、その珍しいほどの低温に皆さんびっくりしました。

先ずは気温の表示からお話しましょう。日本は摂氏で温度を表示しています。しかし世界中を見渡すと、華氏の表示もあり、なかなか温度のイメージが湧かない場合もあります。摂氏は、氷点を0度、沸点を100度に設定していますから、実に分かりやすいです。しかし、華氏の表示は、摂氏0度が華氏の32度。摂氏100度が華氏の212度です。
計算式は (212度―32度)x 5/9 =摂氏100度 と更に分かり難いです。暗算でさっと変換出来るものではないですよね。

異常低温今回の極寒のコネチカット州の最低は華氏マイナス30度にもなるとの報道に 私の頭によぎったのは 「それって摂氏マイナス62度って事かしら?」でした。つまり摂氏0度が32度なら30度を足して、マイナス62度と思ったのです。しかし、摂氏と華氏の変換で調べると華氏マイナス30度は摂氏マイナス34.4度と出てきました。あーー、難しいですね。

とにかく、とても寒いことに変わりはありません。TVでは、暖かくして肌を出さないようにしなさい。外にいるペットは屋内に入れること、不要な外出は避けて家にいること、など様々な注意を呼び掛けていました。前にお知らせしたとおり、こんな時に停電になったら大変です。今回は記録に残る低温で、寒すぎて雪も降らないという気温、そして風が吹いていると更に寒い体感温度でした。

日本でも北海道や東北地方の方たちは極寒を経験なさっているから、そんなの平気平気、と仰るかもしれませんが、とにかく暖房が追い付かなくていくら暖房を入れていてもなかなか室内が暖まらないなんてことも経験しました。
春の訪れが見えてきた日本ですが、まだまだ三寒四温の時期ですので くれぐれもお風邪など召しませんように。

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2023年02月28日

【From America】「サンダンス映画祭 その4」

アメリカのウインドゲイト緑です。
今回がサンダンス映画祭のパークシティから最後のレポートです。

せっかくスキーリゾートに来たのですからスキーをしない手はないのですが、スキー以外にも、タイヤに乗ってそり遊び、スノーシュー、犬そり、雪道でのマウンテンバイク乗り、などなど沢山のアクティビティが楽しめます。

今回は日本の露天風呂を思い出させる「ホット・タブ」をご紹介しましょう。摂氏氷点下5−10度くらいにもなるスキーリゾートですが、暖かいプールで泳ぐ人、ホット・タブと呼ばれる露天風呂のようなものに使って、いわゆる「雪味酒」を楽しむ人も沢山います。私が滞在したホテルには5種類の温度の違うホット・タブがあり、ボタンを押せばジェット水流が出てきてスキーで疲れた足腰をマッサージしてくれます。

hot Tubホット・タブでは皆水着を着てやってくるので、男女を問わず仲良く浸かっておしゃべりも弾みます。「どこから来たのですか?」「今日のスキーはどのスロープで滑りましたか?」などの会話から始まります。温泉ではありませんが、人工的に作られた岩の中からは滝のように暖かいお湯が出てきます。ボタンを押してジェット水流を楽しみ、空から降ってくる雪を見ながら持参のお酒を飲めば、殆ど日本の温泉気分になります。

老若男女、世界中、みんな暖かいお湯に浸かりながらお酒を飲むのは大好きなようです。

名残惜しいパークシティを後に、映画祭の表彰式の日にソルトレークシティー空港を後にしました。

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2023年02月25日

ビュッケブルグ歳時記 291

近頃のウクライナ戦争


 ウクライナ戦争が始まってから既に1年が経った今も、終戦にはほど遠い戦況を毎日聞くことは本当に残念なことです。
 第二時世界大戦のあと70数年を戦争なしで過ごしてきた西側の世界各国が、平和な世界の様子を子供達に伝えることができなくなったということを考えると、わたしのような一般市民でも大きな責任を感じます。


 ここで、この国が70数年の平和な時代を守るために作った機構の中の一つ Munich Security Conferenz(=ミュンへン安全保障会議)をご紹介したいと思います。
 この会議は1963年に、Eward-Heinrich Kleist Schwenzin によって作られたもので、毎年2月にミュンヘンで、軍事、経済の専門家が集まってそれぞれの国の安全性などにについて議論するという、現在では世界最大の会議だということです。 
 焦点はヨーロッパであっても、活動は世界が目的となっており、経済的、生態的、人道的な次元を保って問題を考えることが志されているということです。


 この会議が59回目として、先週の2月17日から19日までミュンヘンで行われていたのです。
 主席していたのはドイツ首相Scholz, 米國副大統領Kamala Harris, Selensky, Macron, Von der Layen, Baerbock(ドイツの外務大臣), Duda, Pistorius ( ドイツの新軍事大臣)、Wang Yi. など。


 このような内容をもって行われていた ”ミュンヘン安全保障会議” にはある時期にはロシアの外務大臣だけでなく、プーチン首相も出入りをしていたことがあったそうですが、その情景が今では悪夢のようにな情景になってしまったということです。結果として悪夢がウクライナ戦争になったということだと思います。


 EU 党首 von der Leyen や、Nato 常任書記は、「今回の戦争は、プーチンが我々の目標とするヨーロッパとは違うヨーロッパを持ちたいという独占的なことから ”我々の存在価値”を否定する目的で仕掛けた戦争”として、この戦争を放り出すことはできない」との意見を言って、ウクライナ援助に力を入れているのかもしれません。
 彼は我々の存在価値を真っ向から否定している、として対抗しているわけで、西ヨーロッパ人たちの生き甲斐を守るための戦争をしているといっても良いと思われます。


 この意見に続いてノルウエイ首相が「今ヨーロッパに起こっていることが、次にはアジアに起こるかもしれない」との意見を発表したことが、現実になったようなのが、中国からの、外交関係人 Wang Xi の突然の出席です。前触れもなく、はっきりした目的を発表したわけでもない出席をどう解釈しよいかわからないというのが実情のように思われます。


 これは、ミュンヘン会議出席の目的も定かでない上に、次の訪問先がモスクワで、プーチン訪問ということを知らされた時、西側の諸国は、Wang Yiの出席の意味がますますわからなくなったような感じです。


 モスクワでのプーチンと外国関係者との会談には大きな長い楕円形のテーブルが用いられるのが常ですが、Wang Yi とは小さなテーブルが用いられていたことが、TVで知らされたことがわかっただけが結果として残っただけでした。


 このような、なんとなくわからない情景にさらされているのがこの頃のドイツです。

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2023年02月21日

【From America】「サンダンス映画祭 その3」

アメリカのウインドゲイト緑です。
今回もユタ州パークシティからの話題です。

サンダンス映画祭開催中はとにかく混雑しているので、なかなかレストランの予約が取れません。多くのレストランはハリウッド関連の人たちの貸し切りになってしまうために個人の予約は難しいのですが、それでも何とか時間帯をずらしたりして、食事を楽しみました。

中でも私が今回初めて食べたのはバイソン肉です。バイソンとはバッファローとも呼ばれる動物で、北アメリカに住む「野牛」です。私達日本人が牛といえば、白と黒のまだらの牛乳を取る牛だったりステーキ肉になる茶色の牛だったり普通に食べる牛肉を思い浮かべると思います。バッファローはいかつい姿の黒い体、そして角が特徴のもともとは野生動物で一時は絶滅危惧種に指定されたこともあるそうですが、数が多くなってきて食用にすることを許されたそうです。私が拠点にしているアメリカ東海岸では、レストランのメニューにバイソンはなかなか登場することはありません。以前、メイン州ではムース肉を食べましたが、バイソン肉は初めてでした。

バイソン肉牛肉に比べると、脂肪が少なくてコレステロールも少ない、という嬉しいニュースに心を弾ませて食べてみました。一口でいえば、牛肉とほとんど変わらない、というのが感想ですが、程よい塩コショウ加減で、何も加えなくても肉の味をしっかり味わえて、思い出に残る食事になりました。

皆さんも機会があれば、ぜひ一度バイソン肉をお試しくださいね。

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