2023年04月18日

【From America】「アメリカの桜まつり」

桜アメリカのウインドゲイト緑です。

日本では桜前線が北上していると思います。桜は日本人の心に響く特別な花ですね。
アメリカのワシントンDCにあるポトマック川のほとりに美しい桜があるのは日本の皆さんも良くご存知だと思います。これは日米の友情のシンボルとして1912年に日本から3000本の桜の木が贈られたことから始まっています。しかし、ワシントンDC以外にも「吉野桜」をめでる桜祭り(Cherry Blossome Festival)があります。アメリカ西海岸の桜まつりは日本人が多いことからも分かりますが、その他の州の桜まつりは、アメリカに30年も居る私にも実はびっくりすることでした。

私が現在住んでいるアメリカ東海岸のコネチカット州ニューヘイブンのWooster Squareにも桜祭りがあるそうです。ニューヘイブンと言えばイェール大学があることで日本の皆さんもご存知かもしれませんが、カリフォルニアに比べて決して日本人が多く住んでいる場所とは言えないと思います。そこに吉野桜が多く植えられていて、しかもこの桜まつりは今回で50回目というのにも驚きました。

桜をめでるという習慣がアメリカ人にも浸透して、蕾の桜、満開の桜、そして桜吹雪(これを英語ではpink Snow と呼んでいます)それぞれの美しさを堪能しましょう、と呼び掛けています。アメリカの人々が桜の美しさを知って、それを愛でるフェスティバルが開催されていることに、なんとも嬉しい気持ちになりました。

日本のように「花見」と銘打って木の下で飲食をする形までは行きませんが、桜並木を散歩しながら食べ物、飲み物、を味わうフェステイバルの期間はたくさんの人々が訪れて桜の美しさを堪能して頂きたいものですね。

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2023年04月08日

ビュッケブルグ歳時記 294

ドイツが麻痺状態となった3月27日(月曜日)


 麻痺状態となったのは全国の交通機関(汽車、電車バス、など)が、月曜の0時から24時まで警告ストライキ(以下、スト)に入ったことが原因なのです。

 翌日の新聞紙上で、地方鉄道の小さな駅で汽車を待つのは冬の名残りの雪だけという寂しい写真を見た時にはこの国のストの強硬さに驚きました。

 日本で、全国を通じて汽車が走らないという日があるとは思えないので、”そのことがある” この国の ”社会” をお伝えしてみます。


 先ず、ストについて。

 労働者が昇給や勤務時間の短縮を望んだ場合、雇い側の会社と協議するのはその会社の労働組合ということは、西側のどこの工業国でも同じことだと思います。

 この国では
 IG Metall (IGM) = 自動車製造会社のようなメタルに関係した会社連 と
 Ver. Di = バスの車掌、病院の事務関係労働者、幼稚園の指導者などが大きな組合として挙げられます。
 公務員、ある種の教師などの職には組合はないということです。

 労働組合ができたのは160年前という長い歴史があるということです。
 初めの頃は会社側からの圧力が強かったということですが、労働者の組合入りが多くなると共に、組合の力が大きくなり、今回のように全国を通じての交通機関のストにまでなったわけです。

 経営者だけが権力を持つ時代の会社が、労働者も権力を持つ時代となり、労働者の持つ一番大きな圧力がストライキというわけで、今回の全国にわたる交通機関のストとなったわけです。
 今回の24時間ストは実に31年振りということです。


 今回のストでは 2.5Millionen の IG Metall の労働者側からは10.5% の昇給と一度の500ユーロの現金支払いが要求された事項だということです。

 経営者側からは、これから来る27ヶ月には5%の昇給、2500ユーロを一回インフレ対策費として支払う、との案が出されているそうです。

 又は、少し前に行われたポスト(郵便局)Ver. Di のストの解決策、従業員全員が1回のみ1020ユーロを受け取り、インフレ対策として2023年の5月から2024年の3月まで180ユーロを支給されるという方法も解決法として示されていることも発表されています。

 そして、今回のような民間人に迷惑をかけるストが行われたことを遺憾とするとの言葉もあったようですが、会社側からは組合に罰を与えることや労働者の退職扱いなどは出来ないということです。


 最後に全国を麻痺状態に導いた今回のストを、国民の55%は ”良” として受け取り、38%が ”否” として受け取ったという結果もお知らせしておきます。

 このような国民一人一人が自分の権利を主張することが出来る国は自由のある国、民主主義の国と言って良いと思うのですが・・・

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2023年03月25日

ビュッケブルグ歳時記 293

ドイツ連邦共和国大統領の転換

 
 この表題からはなんとなく異様な感じを受けられる読者の方が多いかと思われますので、まず、「大統領」について簡単に説明をします。


 大統領とはドイツ連邦共和国の国家元首で、ドイツに住み、連邦議会の選挙権を持つ40歳以上の人で、5年に一度、連邦会議で選挙される人物のことです。

 首都ベルリンにある Bellevue城 が住処。

 大統領は2度のみ、再選されることが可能。


 大統領の役目とは、内外の国家元首の受け入れ及び訪問。諸大臣任命、連邦裁判官任命、新法律認知署名、囚人の恩赦を決め、発表する。

 大統領は政治に中立です。議員である場合は、大統領である期間、議員職は休職とする。
 政治家だけではなく俳優、スポーツ人、芸術家などからも選ばれた人たちの中から二人を選び出し最後は連邦会議で演説をし、その結果で選出される。

 このように大統領とはある意味ではこの国のすべての上に立つ人で、(良い例ではないかもしれませんが)日本の天皇に相当する人物と言って良いかと思われる職種です。


 現在の大統領は 2017年に選出され、2022年に再選されたFrank ー Walter Steinmeier(以下 St.大統領とする)です。議員時代はSPD党員。

 彼は、首相が SPDのシュレーダー氏の時代に、外務大臣として活躍していた人で、彼の時代にはロシアも、西側と友好関係にあった時代のようで、ヨーロッパを「ロシアも入れた家」として建て直そうという外交関係を志し、仕事をしていた人だということです。

 それが今のような、ロシアがプーチンを指揮する国となって、ウクライナを取り戻す戦争を始める時代となり、St大統領の「ロシアを入れたヨーロッパの家」の建築の夢は消えてしまったわけです。

 そこから去年の4月に大統領 St 大統領は「私が Nord Stram 2 に希望を繋いでいたことは間違いであった。また「ロシアを入れたヨーロッパ家」を建てようと夢見たことも間違えであった。
 プーチンは、ロシアの経済、政治、道徳倫理上の没落を自分の失敗とは認めるような指導者ではないことも見逃していた。その結果がウクライナ戦争という形になったことを認識できなかった」
と、自分の無力さを明らかにし、武器を用いない外交を夢見た自分の間違えを公にしたのです。


 一つの国の指導者の重要さを知る一例のような気がしたので、書きました。

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2023年03月21日

【From America】「確定申告」

アメリカのウインドゲイト緑です。
日本の皆さんは3月15日までに確定申告を済ませたでしょうか?アメリカの確定申告の期限は日本の一か月遅れで4月15日です。今年はその日が週末に当たるため、締め切りは4月18日です。日本では確定申告が必要な人は個人で事業をしているような人に限られます。会社員なら会社の経理が源泉徴収をしてくれて、年末調整で終わります。銀行の貯金の利息も税金を取った後の金額を受け取っているので自分で何もする必要がありません。投資も同じことで、配当金なども証券会社が税金作業をしてくれます。ですから、日本では確定申告はあまり身近に感じない人も多いでしょう。

ところがアメリカでは、銀行の利息や投資の配当なども全額払ってくれるので最初は沢山手に入ったと嬉しく感じますが、自分で様々な収入と合算して申告しなければなりません。そうなんです。低所得者以外は老若男女全員が確定申告をしなければなりません。従って、確定申告はアメリカ国民にとってはとても身近なことになります。日本で国民全員が確定申告をしなさい、と言われたらどうしましょう? パニックになりますよね。
アメリカ人だって同じで、国民全員が会計士を雇って税金書類を作ってもらうことは出来ないので、自分でなんとかやらなければなりません。勿論 タウンホールなどに行って無料の会計士のサービスを受けるなどの方法もありますが、多くの人はコンピューターのソフトを使って自分で申告書を作成します。
Turbo Tax
そこで登場するのが「ターボタックス」と呼ばれるソフトで、一歩一歩質問形式にして上手に書類作成を導いてくれます。殆どの質問はYESまたはNOで答え、次へと先に進む形式です。このソフトは文具店や、日本の皆さんにもお馴染みになったコストコなどで手に入ります。そして、その提出方法はインターネットで送る場合と郵送の二種類があります。締め切り日までに必着ではなくて、当日の消印有効なので、締め切り日の郵便局は真夜中の12時ぎりぎりに駆けつける人が多くて大変な騒ぎになります。

この光景の話を聞くたびに、夏休みの宿題をぎりぎりまで放っておいて、徹夜で仕上げるあの気分に似ているように思えて、くすっと笑いたくなります。面倒くさいことは先延ばしにして、慌てて最後になって大騒ぎ、というパターンは洋の東西を問わず同じなのだなと感じます。

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2023年03月14日

【From America】「グラウンドホッグ・デー」

アメリカのウインドゲイト緑です。
3月に入り、日本は春の訪れを感じる時期になったことでしょう。私のいるニューイングランド地方はまだ寒い日が続いていますが、春が待ち遠しいのは皆同じです。日本の暦には大寒があり一番寒い時期とされています。そして2月の初めには節分があり、立春ですが、それでも日本の2月はまだまだ寒いですよね。日本の暦と体感には少しずれを感じるのは私だけではないと思います。

2.2冬景色アメリカには「グラウンドホッグ・デー」というのがあり、毎年2月2日です。これは春がいつ頃来るかを占うアメリカの風習で、この大きなリスのような動物であるグラウンドホッグが冬眠から出てきて、「その影が見えたら冬はもう6週間は続く。影が見えなければ冬は短くて終わる」と言われています。毎年ペンシルバニアでは大きなセレモニーが行われるのですが、どうやらこのグラウンドホッグの占いが当たる確率は39パーセントと非常に低いそうです。
私が考えるには、グラウンドホッグが出てきて影が見える、ということは2月2日が晴れで太陽が出ているからこそ影が見えるわけです。晴れて天気が良いのは、もう春は近いですよ、というサインに思えるのですが、どうやらこの占いのルールはその逆のようです。

日本では春の訪れを感じるのは、梅が咲いたり、ウグイスの声を聴いたり、と自然の様子から想像が出来ます。三寒四温という言葉通り、この時期は暖かいと思えば、寒い日が戻ってきて、期待を持ったり裏切られたり春を待つ人々の気持ちを揺さぶる時期でもありますね。

アメリカにこんな占いみたいな風習があるというのは、それだけ人々の春を待つ気持ちが強い現れなのかもしれません。

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