2017年07月08日

ビュッケブルグ歳時記 158

民主主義にまつわり・・・


 今秋、この国では連邦議会選挙が行われることは、日本にも報道されていることと思います。各政党がそれぞれの政策プログラムを掲げて票集めに努めている今日この頃ですが、その中で、あるイヴェントが目に留まりました。ドイツでも初めての試みということですが、この国の、市民と政治とメデイア間の考えかたが示されているように思われますので紹介してみます。


 このイヴェントの名は「 Bundesleserkonferenz 2017」で、直訳では「連邦読者会議」となりますが、意味する所は、「全国の新聞愛読者と、各党最有力候補者5人との質問会談会」です。

 生き生きとした対話のある文化があってこそ民主主義は育つ、との意向のもとに、全国28の日刊紙のもつ「ドイツ編集局ネットワーク」が主催者です。特設のネットアドレスが作られ、選挙を前に、質問、希望などを持つ市民は、持つ問題をそこへ送る。集まった事項は編集者により厳選され、8月の末から9月の末に予定された、ベルリンのプレス会館で開催される5日間の会議日に、読者と有力候補者とが直接、質疑応答しようというイヴェントです。この会議出席希望者もネットで選出され、会議に招待され、政治家と直々に話し合う機会を与えられるというわけです。

 出席予定の政党は社会民主党、自由民主党、左党、みどりの党、ドイツのための選択肢党 の5党です。残念ながらメルケル首相は欠席です。
 

 現在、この国が向かい合っている一番大きな問題はEU圏の確保で、フランスとの連合結束から、EU 圏の国々を「ヨーロッパ連合国」のような形態にするまでの外交形成確立に関する問題です。その他、老年者社会となることからの介護問題、環境問題、年金問題、難民問題等々、数々の問題が浮かび上がっています。
 何処の国でも問題を抱えているのは同じだと思いますが、TVや新聞からはドイツは経済情勢も良、国としての安定性も良、民主主義も良く機能していると言われていることが耳に入ります。これは自国自賛だけではなく、外国からの声でもあるようです。 

 民主主義が上手く存在していることの原因は、議会が政府の意見に左右されること無く、一件を決定出来ることにあるようです。議員はその人の持つ意見に従って義務を果たせるわけです。政府からの拘束は皆無というわけです。これはメデイアに付いても同じで、報道することの内容も、報道先もその自由が確保されているわけです。意見の自由(日本では言論の自由と訳されています)と報道の自由が厳守されているわけです。


 このような民主主義を確保、持続するためには、これに対する市民の認識と、揺るぎの無い支持応援が必要とあります。そこから、このような国になるためへの筆頭行事として、今回ご紹介する「話し合い」イヴェントが施行されるわけです。これは、国も市民も絶え間無く、このような国を作ろうと努力していることを示していると思います。
 民による政治が行われるために、この国では人任せにせず、市民が率先して取り組むという感じです。このことは、いつも同じことになりますが、政治が国民に近いということから、国民も民主主義の意味を知っていて、それへの期待を自力で達しようとする気概を造っているように思われます。
 「話すこと」がそれへの第一の必要事項だということは云うまでもありません。 


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2017年07月06日

ブログ17-15

藤井聡太四段と久夢流

将棋の世界で中学3年生の藤井聡太四段が公式戦連勝して記録を29に伸ばして歴史上単独トップになりました。
たんに記録を作っただけでなく少年少女のにわかファンもおおきく伸びました。最初に戦った加藤一二三九段もリタイアしましたが、そのごTV出番も急増しています。
将棋に関係ない私も講演講師の紹介少しやつていますがはじめのころ登録した女流棋士が今問い合わせが急に増えています。

ブームとはまさしくこのようなことを言うのですね。次回久夢流について


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2017年07月04日

【From America】「制服でテディ・ベアー」

テデイベアアメリカのウインドゲイト緑です。

7月4日はアメリカの独立記念日のお祝いの日です。
アメリカ人の愛国心が一番現れる時期と言っても過言ではないような、大きなお祝いが全国各地で行われます。
さて、今回はアメリカの愛国心をテーマに9.11のテロ事件で亡くなった消防士の家族に、その制服を使ってテディ・ベアーを作ってプレゼントしている活動をご紹介しましょう。

先ず、最初になぜクマのぬいぐるみをテディ・ベアーと呼ぶのか? ということから始めたいと思います。テディとは第26代アメリカ合衆国大統領のセオドア・ルーズベルトのファースト・ネームのセオドアのニックネームであるテディに由来しています。ルーズベルト大統領は大の狩好きだったそうです。
1902年の秋にクマ狩りに出掛けたものの、獲物を射止めることが出来ず、同行していたハンターが年老いた雌熊(一説には傷を負った子熊)を追い詰めて、最後の一発を大統領に頼みました。しかし、大統領は「瀕死のクマを撃つのはスポーツマン精神に反する」としてクマを逃がしたそうです。それが話題になり、クマのぬいぐるみの総称がテディ・ベアになりました。

アメリカの子供達は、テディ・ベアが大好きです。そして、病気のお見舞いには必ずといってよいほどテディ・ベアがプレゼントされます。上記の逸話がテディ・ベアに一種の「癒し」の力があると思われているのかどうか? は定かではありませんが、9.11で夫や息子を亡くした家族への癒しの一つとして、本人が着ていた制服を使ってテディ・ベアが手作業で作られ、家族に贈られたという心温まるお話です。素材に本人の制服を使っているところに、贈られた家族は亡き消防士を更に身近に感じることと思います。

9.11でお亡くなりになった皆様のご冥福を改めてここに祈りたいと思います。

Happy 4th of July!



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2017年06月27日

【From America】「ラスベガスの湿度は2%」

噴水アメリカのウインドゲイト緑です。
日本列島は梅雨に入り、傘を持ち歩いて出掛ける毎日ではないかと思います。
日本の梅雨、そして蒸し暑い夏の湿度はかなり高いでしょう。

ところが、私の住んでいるラスベガスは特に夏には湿度が低くなります。(冬より夏のほうが湿度が低いのです)低いと言っても、爽やかだなあ、と感じる程度のものではなく、「オーブンに顔を突っ込んだような」温度の高さと湿度の低さが混ざった感じです。今年は6月からとても暑い日が続き、華氏116〜117度が1週間以上続く異常気象です。予報では華氏120度(摂氏48.9度)になるかもしれない、と言っています。

さて、気温は勿論ですが、湿度の低さに日本の皆さんは驚くと思います。先日、ついに「湿度2%」を記録したとTVのニュースで知りました。経験の無い方には、どう説明したらよいでしょうか? 息を吸った途端に、肺の中までカラカラになる感じとでも言いましょうか? 実に乾燥しています。ラスベガスで有名なカジノホテルのベラージオの噴水ショー、他にも様々なラスベガスの観光地では噴水、滝、波のあるプールなど水を使ったアトラクションが沢山あります。以前に人から「ラスベガスのプールの水は一日で75%の水が蒸発してしまうので、毎日水を足さないといけない」と聞いて、耳を疑いました。しかし、今回の気温約120度(摂氏48.9度)と湿度2%を実感して、やはりあの言葉は本当だったのかもしれない、と納得している次第です。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」の言葉通り、日本の蒸し暑い夏は不快ですが、逆にカラカラで高温というのも やはり不快に感じるものです。何事も中庸が良いのですが、四季があるのですから いつも春や秋のような気候ばかりを願っても無理なことなのでしょう。上手に暑さ対策をして、これから本番になる夏に備えて健康を維持していきましょうね。


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2017年06月24日

ビュッケブルグ歳時記 157

民主主義にまつわり・・・Documenta(ドキュメンタ)


 先回は年月とともに政治づいているソングコンテストをご紹介しましたが、今回はこれも政治が濃厚に息ずいている美術関係のイヴェントをご紹介したいと思います。
 

 標題の「ドキュメンタ」と名ずけられる展示会は、5年毎に100日間、地図で見るとドイツ国の真ん中に位置するカッセル市で催される、グローバルな前衛現代美術展示会です。
 この展示会の発祥は1955年に、ある美術教授が、ナチス時代には発表を許されなかった芸術作品を改めて社会に展覧することを目的としてカッセル市で始めたもので、現在はカッセル市とヘッセン州が主催者となっています。そして展示される作品の内容は文字通り時代を反映するテーマが自由に息づくアバンギャルド作品が多く、そのため屋内だけではなく、青空の下にも作品が展示されるのです。1922年に新築されたドキュメンタ・ホールだけではなく、市の公園や広場に、ある市民層の目には不可解で奇妙だと印象を与えるような作品が展示されるのです。
ですから、100日間に約百万人と予想される観覧者の殆どが1日中の予定で、リュックサックを背負い、市内を歩き回って美術芸術作品観賞を楽しむのです。
 今回は160人の芸術家が出品しているそうです。
 14回目の今年は「協力」を考え、4月ー7月の100日間、ギリシャのアテネ市で、同じ展示会が開かれたということを書き添えておきます。
 

 開会日にはギリシャとドイツ両国の大統領が出席し、独大統領は開会の辞で、
政治的展覧会であると明言し、「真相と欺瞞が格闘している現世」を映し出す展示会だと表明したそうです。文化大臣も、揺れている今の世界に狼狽しながらも、そのような社会を揺さぶり鼓舞していることがわかる展示会であるとして、社会的にも政治的にも有意義なイヴェントとしています。
 開会日の記者会見では、シリアからの避難民である一バイオリストの演奏があったということです。ここにもドキュメンタの政治性が見えます。


 このようにドイツだけでなく、ヨーロッパでは音楽、美術など芸術にまで政治が入り込んでいると感じるのです。こちらの人達にとって政治は特別なものではなく、生活の中にある「必然的なもの」となっているという感じです。そこから
自分たちの社会を、生活を少しでも良くしようということに、こちらの人は無意識になっているほど、積極的だと言えると思うのです。
 日本ではこれほど政治が市民の興味を引いていないように感じます。その理由をわたしなりに考えてみた結果は、大部分の市民の生活水準がとても高いので、現在の生活に満足している国民が多いことから、政治に対する感心が薄いのではないかという思いにたどり着きます。日本は衣、食、住のどれも非常に高い水準にあります。充分な食事もとれない貧困層の子ども達や、老年困窮問題なども耳に入るのですが、満足しきっている中級階層の国民の多数の影に隠れて彼らの声は薄くなっているように思えます。
 このように、国民の政治興味が薄くても高水準の国勢になると思うと、市民の政治への積極性は重要ではないのかとの疑問も出て来るのですが・・・
 民主主義には「平等」が謳われています。高低の差を出来るだけ少なくする社会を作るためにはやはり、庶民の積極性が必要なのではないかとも思うのです。

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